Kinoie Work Gallery

vol.10

陀羅尼町の家

(だらにまちのいえ)
[上越市北本町地内]

歴史ある雁木通りの風景が今なお現存する上越市高田の町家街。そこには古き良き風情と人のつながりがあります。
代々この地に暮らすオーナー様の求めていたものは、このまちの風景に溶け込む美しい佇まい。
 
個々の敷地の中では完結しない家づくりの本質。

ソトにひらき、地域の特性、周辺環境と共生する豊かな暮らし方を、この陀羅尼町の家では大切にしました。
歴史ある街並みに溶け込む佇まい
陀羅尼八幡宮の参道と表通りを貫く雁木通りに隣接した敷地環境を設計に取り込み、新築でありながら、まるで昔からそこに存在していたかのような佇まいを意識した外観デザイン。

落ち着いたダーク色の金属サイディングに、キノイエのアイデンティティでもある糸魚川産の杉材をふんだんに使用した外壁。そして、1階に生活機能を集約したことで、限りなく平屋に近い低層の外観が実現。緑の多い住宅街の敷地環境にうまく調和しています。

また、この住まいの前を通りかかる近隣住民の人たちに楽しんでもらえるよう、あえてリビングからは見えない敷地角に「まちかどの庭」を設置しています。
景色をナカに取り込む 抜けのよい視界
この家に足を踏み入れ、障子を解放した瞬間からリビングに向かって抜けるように広がる視界。さらにその向こうに広がる神社の境内の緑。隣地の敷地も含め、すべてこの住まいの空間として取り込まれています。

部屋の角を切り抜き、壁をなくすことで得られる解放感。浮かせる家具の工夫などと合わせ、15畳に満たないリビングの実際の畳数からは想像ができないほどの広がりを実現しています。

春には窓の向こう一面に陀羅尼八幡宮の満開の桜が楽しめます。
生活機能は1階に集約
この住まいは、構造上2階建てとなっていますが、実際の生活は全て1階で完結できるよう、機能を集約しています。長く暮らしていく上で必要な時にだけ、2階のスペースを活用します。

キッチンの手元を隠しながらも作業性が高く、視界も抜ける箱パントリーはキノイエオリジナル。キッチン周りの回遊性も実現。この中に床下エアコンも格納されています。
用途は自由 2階のフリースペース
美しい片流れの外観をなぞるように階高を抑え、収納や一時的な来客時の活用スペースとして機能する2階の空間。

糸魚川産の杉材でつくられた手摺の桟、エアコンも一体的に格納されている美しい壁面収納、キノイエお馴染みの「すのこ天井」など、隅々に地元産の素材を楽しめる上質な空間に仕上げています。
このまちで美しく歳を重ねる
何十年経っても飽きのこないデザインはキノイエの重要なコンセプト。このまちの歴史と人々のつながりを大切に、地元の人たちに永く愛される家づくりをキノイエはこれからも追及していきます。
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