庭のある家と、その暮らし
August 26, 2022
今年の夏、モデルハウス塩屋新田の家に行った際「庭で生まれた命」を見つけました。
家の前にはお客様を出迎える前庭があります。
常緑樹をメインに長寿桜・マユミ・アカシデ・モミジが植えられており、道行く人も季節を楽しめる庭となっています。
モデルハウスのある上越市塩屋新田は住宅街にあります。
現代の住まいは、高度成長期から四季の寒暖の変化から逃れるように、進化した機械設備と合成建材を好んで追い求めてきました。
やがて住まいは、外に開くことを忘れ、いつしか私たちの暮らし方までもが、小さな箱の内側に籠るような姿に変貌していったように思います。
キノイエでは、土間や軒下、フルオープンで外や庭につながる大きな窓等、今どきの家がなくした暮らしの場所があえて作られています。
写真:入居後4年の西本町の家
写真:入居後3年の頸城の家
そこには、家のナカとソト、家と町の風景をつなぐ暮らしの場がたくさん用意されています。
住まいで感じる暮らしの豊かさとはどのようなもでしょうか?
表面的な性能や見た目のデザインを良くしただけでは得られない心の豊かさや、窓際で過ごす気持ちよさ、移り行く四季の美しさではないでしょうか?
モデルハウスにあったセミの抜け殻を調べてみたところ、ニイニイゼミの抜け殻でした。
ニイニイゼミは土の中で4~5年過ごし成虫になるそうです。
卵は木に産みつけられた次の年の夏に孵化し、そこから土の中で過ごすのでちょうどキノイエが誕生したころに産み付けられたようです。
夏の終わり、庭からは秋の虫たちの声が早くも聞こえてきました。
「現代町家」という、家づくりで街角の風景を作り出すキノイエは「生き物達の家」にもなっているようです。
花の便り
May 13, 2022
先日、陀羅尼町の家のオーナー様から「花の便り」が届きました。
昨年(2021年)の秋にお引渡しをしたキノイエで迎える最初の春でした。
初めてオーナー様とお会いしたのが3年前の秋、築50年のお宅の建て替えのご相談にいらっしゃり、建築地は歴史ある街並みの城下町高田、雁木(がんぎ)通りがある地域。
オーナー様のお土地も、その幅は9.6m。けっして広いとは言い難い敷地環境でした。
家づくりを検討されているお客様は皆、色々な心配をされています。
陀羅尼町の家も、土地の幅に合わせて建てられるのか?
防火地域での建築で外壁に木を使えるのだろうか?
町家の景観に馴染む家になるのだろうか?
オーナー様のお話を聞き、一つ一つご不安を解消しながら計画を進める中、
「隣の公園の桜を家の中でも見れたらいいな」と話された事を今でも鮮明に覚えています。
ソトとナカをつなぐ設計のキノイエにぴったりの場所でした。
敷地調査の様子 : 奥には借景したい満開の桜が咲いている
キノイエのコンセプトをブログにて度々紹介させていただいていますが、歴史ある街並みにも馴染むキノイエを選んでいただき、周辺の景色に馴染み・溶け込む、さらには家の中にとりれる。
現代町屋ならではの、外に開く設計により借景の美しいキノイエが完成しました。
生まれ育った町の四季を感じながら暮らす、最高の地元ライフ。
キノイエで是非ご体感ください。
陀羅尼町の家ルームツアーはこちらから
ベースとゲヤで考える
March 11, 2022
キノイエでは、土間や軒下、フルオープンで外や庭につながる大きな窓など、今どきの家がなくした ” 暮らしの場所 ” があえて作られています。
キノイエの設計は先人たちの知恵を生かした現代町家です。
現代町家では、住宅をベースとゲヤ(ゲヤ)に分けて考えます。
ベースは暮らしの中心部分を指し、居間、キッチン、寝室や子供部屋など家の主要な部分がまとまっています。
一方、ゲヤは暮らしのサポート部分。水回りとしてみたり、大きな玄関土間としてみたり、あるいは離れとしてみたり。
ベースとゲヤからつくる家の配置は、
「ずらす」「囲む」「並べる」「振る」「離す」の5つのパターンの分けられます。
ベースとゲヤに分けて考えるメリットは、周囲の環境に溶け込みやすくなること。
ベースとゲヤがずれたり、並んだり離れたりしたときに出来る余白が家のソトとナカをつなぐ中間領域になるのです。
キノイエ第一号の 塩屋新田の家は「離す」。
家の中を見てみると離れがあり、ベースから離して配置したゲヤとの間にはいつも外の自然が感じられるように中庭があります。
日本では外を暮らしに使うのは容易なことではなく、雪国ではなおさらです。
閉じるのではなく、開く。離すことでできる特別な空間です。
「ずらす」「囲む」「並べる」「振る」「離す」の5つのパターンをイメージしながら、是非建築実例をご覧ください。
建築実例 キノイエの手仕事
キッチンを暮らしの中心に
February 18, 2022
一昔前、台所は家族が集まるリビングとは切り離された部屋になっており、単に調理という家事をこなすだけの簡素な場所でした。
時代の流れと共に、住宅も変化し現在のようなキッチンスタイルの原型は昭和30年代に誕生した公団住宅と言われています。
団地の登場により、居室から少し離れた動線上にひっそりとあった台所が初めて居室の一角に配置されました。
今ではリビング・ダイニング・キッチンが一つの空間となったLDKが一般的になってきましたが、そんな中でもキッチンのあり方で暮らしは大きく変わります。
2019年竣工 「頸城の家」セミオープンの回遊キッチン
2017年竣工 「大和の家」L型の対面式回遊キッチン
コンパクトに作られた家の中にどのようにキッチンを寄り添わせ、家族の居場所を作るか。
例えばキッチンに廻れる動線を持たせ、家族の誰もが出入りし、みんなが見えているところで楽しく料理をする。
キッチンを暮らしの中心に考え、一緒にご飯を作り、一緒に食べる。当たり前ですが、少しの工夫で暮らしが変わる。
そしてもう一つ、キノイエの廻れるキッチンには「箱パントリー」というコンパクトなのに多機能な収納ボックスがあります。
建築家の趙海光(ちょう うみひこ)氏による設計でキノイエのコンセプトから生まれたオリジナルアイテムです。
2021年竣工 「陀羅尼町の家」箱パントリー
2016年竣工 「塩屋新田の家」箱パントリーとダイニング
壁を作らずに家具で空間を仕切ることにより、空間に奥行きを持たせることができます。
キッチンを暮らしの中心に考えると、家族の居場所に寄り添った、暮らす楽しさをもたらす場所になるのではないでしょうか。
10年後、20年後も続く絆
October 11, 2021
先日、キノイエ「陀羅尼町の家」の家の引き渡し式を行いました。
着工というと、これから始まる家づくりにワクワクとしますが、
お引渡しの時は少し寂しい気持ちになります。
オーナー様との出会いから、打ち合わせを重ねた日々が次々と思い出されます。
「終の棲家を求めて家づくり考え始め、初めてキノイエのモデルハウスに訪れた時、ビビッときました。そしてファーストプランを見た時、もっとビビッときました。これは、上品な住まいになりそうだと感じました。」
「10年、20年後のお付き合いはもちろん、さらに健康に配慮した住まいをつくってくださったので、30年後も変わらず皆様とお付き合いできると今から楽しみにしています。」
オーナー様からいただいた言葉が本当にありがたく、この仕事をしていて本当に良かったと感じる瞬間です。
これからもどうぞよろしくお願いします。
スタッフ一同御礼申し上げます。ありがとうございました。
10年後、20年後も健康でいられる住まい。
モデルハウスにて是非ご体感ください。
【暮らし番外編】雨の美山デイキャンプ
May 5, 2021
カネタ建設のYouTubeチャンネルに、私たちの暮らす上越、糸魚川地域の暮らしの魅力について、スタッフの視点で編集する「最高の地元ライフ」番外編「雨の美山デイキャンプ」の映像をUPしました。
新型コロナウイルス感染症の拡大、都市部の緊急事態宣言の影響等で、人と人との直接交流が難しい昨今ですが、地元の暮らしの楽しみ方について、今後はこうした映像メディア等も駆使して皆様にお届けしていきたいと考えています。
YouTube動画視聴は上の画像をクリック↑
糸魚川市最大規模の都市公園である美山公園。糸魚川駅から車でわずか数分に位置し、各種スポーツ施設や遊戯施設、ミュージアムなどさまざまな機能を有している市民の憩いの場。そして、海山の絶景を楽しめる最高のロケーションにキャンプスポットがあります。
しとしとと響く雨音、立ち昇る煙、ゆるやかな会話・・・雨の中のデイキャンプもまた風情があります。
大自然に囲まれた極上のダイニングでいただくアヒージョやアクアパッツァ、そして懐かしい本格中華そばなど、どれも絶品。地魚、山菜、お米、地酒・・・地元の食材は春夏秋冬豊富に揃っています。
地元にある資源を生かした様々な暮らしの楽しみ方、これからも私たちの視点でお届けしていこうと思います。
今回お届けした美山公園キャンプ場はこちら
地産地消の持続可能なまちづくりへ
March 2, 2021
森は油田だ!
糸魚川の豊富な森林資源を活かした独自の地域経済循環をつくりたい!
そんな思いで制作したビジョンマップが完成しました。
この取り組みは、林業、製材業、木材加工業、工務店、設計事務所をはじめ、糸魚川市内の森林資源に関する川上から川下までの仲間が有志で集まって組織された「緑でつなぐ未来創造会議(Midori Mirai Meeting/通称:3M(さんえむ))」によって実現しました。なお、3Mの座長は弊社代表猪又が担当しています。
完成したパンフレットは1万部発行。市内の学校や公共施設、各企業など広域に配布され、ポスターも約100ヶ所の施設に掲示されます。
糸魚川市の森林面積は市全体の約87%。その面積は東京23区を包み込むほどの大きさ。にもかかわらず、その大半がまだ未活用のまま、森の高齢化が進んでいます。
目先の損得だけで輸入木材を買えば買うほど、糸魚川市からはお金が流失し、森は荒れ、海の資源にも影響を及ぼします。地元で経済活動を行う私たちの責任も大きいと感じています。
反対に、森を適切に維持管理し、整備すれば、アウトドアレジャーやグリーンツーリズムなど、この地域の特色を生かした新たな産業育成にもつながります。また、間伐された木材を建材だけでなく、エネルギーや熱源としても利用可能です。
SDGsの考え方が少しずつ浸透し始めている今だからこそ、地元の木で学校や施設をつくり、家を建て、エネルギーとしても活かすという地産地消の「持続可能なまちづくり」の大切さを地域のみんなで学ぶチャンスだと思います。
https://www.facebook.com/MidoriMiraiMeeting
動画の力
February 27, 2021
昨年秋以降、ずいぶんと投稿が滞ってしまいました。
こちらを楽しみにされていらっしゃった皆様には、この場をお借りしてお詫び申し上げます。これから少しずつ再開していきたいと思います。投稿のペースは緩やかになるかと思いますが、着実に皆様のお役に立てる内容、読んで心が暖かくなるような投稿を心がけたいと思います。
同時に、これからは、ブログという手段に加え、映像という手段でも少しずつ皆様にお伝えしていこうと思います。まずは今回手始めに、上越モデルハウス「塩屋新田の家」の紹介動画を自前で制作してみました。こちらはカネタ建設のYouTubeチャンネルで公開しています。見様見真似の撮影・編集ですが、文字と静止画ではお伝えしきれていなかったキノイエの心地よい暮らし方、その空気感を少しでも感じてもらえたらと思います。
カネタ建設のYouTubeチャンネルもこれから少しずつ更新していきます。よろしければ、こちらのチャンネルの登録、いいねをお願いいたします。
『ちいきのたより』寄稿4回目
August 13, 2020
四季の移ろいを楽しみ、地域とのつながりを大切に住まう人を応援するウェブマガジン『住まいマガジンびお』。
その中のコーナーの一つ、全国の工務店の記者から日本全国四季折々の旬な話題をお届けする「ちいきのたより」コーナーに、弊社から4回目の寄稿をさせていただきました。
今回は8月初旬の記事掲載ということもあり、「オレンジフェア 」について詳しくご紹介。タイトルは「「人」の展示会」とさせていただきました。
「子どもたちに最高の夏の一日をプレゼントしたい」・・・そんなスタッフの思いから始まったこのイベントも今年で早16年目。地域の皆様に生かされているという心からの感謝の気持ちと、家族の夏の最高の思い出を提供したいというスタッフたちの強い思い、そして、部署や立場の垣根を飛び越えて仲間同士が結束する姿そのものが、このイベントのいちばんの価値であり、存在意義。イベント開催費用はすべて大事な社員研修費用と考えているからこそ継続性も生まれているのです。本記事では、そのあたりについても詳しく触れられています。
こちら「ちいきのたより」コーナーでは、他にも全国から地域の工務店記者さんから選りすぐりの旬の記事が定期的に届けられています。地域に密着した工務店の目から見たその地域や暮らしの魅力を擬似体験できる素晴らしいコンテンツです。
前段でも触れましたが、弊社からは今回の記事の他に過去3回寄稿させていただいています。テーマはそれぞれ「上刈みかん(甘酸っぱい北限)」「雁木通り(譲り合うまちなみ)」「奴奈川姫とけんかまつり(ヒスイと日本最古のラブソング)」といったように、新潟県上越・糸魚川地域の暮らしについて、独自の視点からご紹介しています。そちらもご興味がありましたら是非一度お読み下さい。
挑戦するなつやすみ
August 10, 2020
8/3〜7の5日間にわたり、オレンジフェア 特別企画「挑戦するなつやすみ」の競技・撮影が行われました。
今年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、部活の大会などが軒並み中止となり、活躍の場が少なくなってしまいました。しかし、それでもなお懸命に練習している子どもたちの姿に背中を押されたオレンジフェア スタッフが、子どもたちに今年限りの特別な活躍のステージとして用意した特別企画。
事前告知に市内在住の小中学生66名がエントリーしてくれました。
まず最初の2日間、8/3・4はサッカー(ストラックアウト)。会場は、糸魚川中学校のご厚意で同校のグラウンドをお借りしました。
ゴールポストにオリジナルのストラックアウトの的を設置します。
競技は、一人10球を蹴り、8つの的を何枚抜けるかを競うもの。参加してれた子どもたちの真剣な表情がとても印象的でした。
競技はサッカー・野球それぞれエントリー時間を予約制とし、競技は一人約10分間で終えられるように設営。子どもたちの競技時間が重ならないように配慮しました。また、ギャラリーも保護者のみ観戦可能とし、応援席はソーシャルディスタンスをしっかりと確保するなど、徹底した三密対策をとりました。
8/5〜7の3日間は野球(飛距離対決)。会場は美山球場のナイター施設をお借りしました。
バッターボックスに設置されたバッティング用のティーにボールを設置し、5球打って最長飛距離を記録する形式。計測にあたっては、建設現場での測量に使用するトランシットを使用し、なんとミリ単位まで計測。このあたりが建設会社ならではの設営(笑)
こちらも非常に盛り上がりました。参加者の中には野球チーム所属の強豪選手も大勢名を連ねていました。
中には大人顔負けのスラッガーも。3日間、美山球場では大きな歓声が響き渡りました。
こちらの競技の様子は全て映像記録を取り、9月にカネタ建設のYouTubeチャンネルにてダイジェストムービーを公開する予定です。今回の企画のためにゼロから映像編集を学んだスタッフ渾身の番組を是非お楽しみに!
8/9付地元紙「糸魚川タイムス」の1面に記事を掲載していただきました。