山茶花の季節
November 7, 2017
さざんか 山茶花 さいた道
たきびだ 焚火だ 落葉たき
あたろうか あたろうよ
霜やけ おててが もうかゆい
日本の季節の移ろいを繊細に表現した二十四節気(にじゅうしせっき)の第19番目は「立冬(りっとう)」です。ちょうど本日11月7日~21日頃までの間がこの立冬にあたります。初めて冬の気配を強く感じ始める日、秋分と冬至の中間で、昼夜の長短を基準に季節を区分する場合、この日から立春の前日までが冬とされています。

その立冬の期間のはじまり、七十二候(しちじゅうにこう)でいう初候(11月7日~11日頃)は「山茶始開(つばき はじめて ひらく)」といいます。実は、ここでいう「つばき」というのは、俗に呼ばれる「椿」ではなく、山茶花(さざんか)のことを指しています。先ほどご紹介した童謡『たきび』の歌詞に出てくる「山茶花(さざんか)」はまさにこの時季の情景を表現しているのでしょう。

さて、「山茶花(さざんか)」といえば、実は糸魚川市内にこの名前と同じ名前をもつ飲食店があります。それがこちら、「和食料理 旬彩 山茶花」様。新鮮な魚介を中心に、地元の食材を取り入れた和食のほか、丼物や麺類などの手軽なメニューも豊富で、昼はランチ、夜はミニ会席や一品料理を、糸魚川の地酒と一緒に楽しめるお店です。

その昔、糸魚川市内の街なかで稼働していたちいさな縫製工場の居抜きを利用して全面改装によって誕生したこのお店は、古民家や古い土蔵の扉や建具などを一部あしらったジャパニーズモダンテイストの落ち着いた空間。日中はゆっくり話せるランチ会場として、夜は会合や懇親会などで貸切予約も多い人気のお店です。




・・・実は、何を隠そう、弊社カネタ建設による設計施工でお手伝いさせていただいたお店なのです。童謡『たきび』に始まり、二十四節気の「立冬」、七十二候の「山茶始開(つばきはじめてひらく)」に便乗して、本日ちゃっかりご紹介させていただきました(笑)ご興味を持たれた方はぜひ足を運んでみてください。
【和食料理 旬彩 山茶花】
<所在地>
TEL:025-553-0016
<営業時間>
11時30分~14時30分(14時LO)
17時~22時(21時LO)
<定休日>
火曜(祝前日は営業)
<席数>
40席
<駐車場>
4台
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紅葉ブライダル
November 5, 2017
昨日は、関連会社のスタッフさんの婚礼にお招きいただき、長野県白馬村にある「ホテル シェラリゾート白馬」様にお邪魔してきました。

シェラリゾート白馬様は、白馬村の森の中にある3万坪という広大な敷地に、日本には数少ない“自然との共生をめざした環境共存型”のホテル。環境建築の始祖といわれる米建築家チャールズ・ムーアの代表作「シーランチ・コンドミニアム」をモデルにつくられたこの建物は、今年5月にご逝去された故富原寛社長自身のセンスとアイディアが注ぎ込まれた社内設計による渾身の作。カナダから直輸入したウエスタン・レッドシダーがとても美しい外壁は、腐りにくく耐久性にもすぐれていることに加え、周りの自然とも調和しています。

シェラリゾート白馬様の公式サイトより

敷地内にあるチャペル
婚礼当日の天気は小雨。先日のブログでもご紹介しましたが、二十四節気では「霜降(そうこう)」、七十二候では「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」のこの季節、秋の深まりを感じる白馬の森での挙式は、雨もまた絵になる最高のシチュエーション。街中での婚礼では味わえない特別な雰囲気を演出してくれていました。

ちなみに、実は、こちらのシェラリゾート白馬様と弊社とは、十数年前からのお付き合いで、通年弊社で改修・リフォーム全般を担当させていただいています。
2012年には、約10年間の構想期間を経て、築100年以上の古民家2棟分の材料をドッキングし移築再生した温泉棟「白馬みずばしょう温泉」を弊社の設計施工にて新築させていただきました。

弊社設計施工の「白馬みずばしょう温泉」(公式facebookページより)

弊社設計施工の「白馬みずばしょう温泉」(公式サイトより)

弊社設計施工の「白馬みずばしょう温泉」(公式サイトより)

弊社がお付き合いを始めるきっかけにとなった最初のお仕事が、実はこちらの婚礼式場の大規模リフォーム。故富原社長と当時何度も収まりを議論しながら仕上げた全面ガラスのボーウィンドウの前でのケーキカット&ファーストバイトの瞬間をパチリ。お二人、末永くお幸せに。
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楓蔦黄(もみじつたきばむ)
November 3, 2017
日本は春夏秋冬と四季折々の変化に富んでいます。昔から日本人はとても繊細な感性を持ち合わせており、この季節の移ろい、情緒を様々な言葉で表現してきました。実は、その日本の季節には、春夏秋冬をさらに細かく分けた24の分類、その先にはさらに繊細な表現の区分けがあるのをご存知でしたか?
本日は、日本の「二十四節気」と「七十二候」についてお話をしたいと思います。
まず、「二十四節気(にじゅうしせっき)」とは、太陰太陽暦で季節を正しく示すために設けた暦上の点です。一太陽年を24等分し,立春から交互に節気・中気を設け,それぞれに名称を与えたものを表します。

10月23日~11月6日の間は、二十四節気では「霜降(そうこう)」といいます。この時季、北国では早々に地表が0度以下になり、霜が降り始めることに由来しているようです。ただ、私たちの暮らす上越地域は、一部の山間部を除き、霜が降るのはもう少し先の話になります。
そして、その二十四節気の各節気を、さらに初候・二候・三候に三分したものを「七十二候(しちじゅうにこう)」 といいます。二十四節気の霜降の末候にあたり、11月2日~11月6日ごろに相当するこの時期を七十二候では「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」といいます。文字通り「もみじやつたが黄葉する」という情景を表現しています。一般的な季節の表現では「晩秋」ですが、二十四節気、七十二候がもつなんとも美しい季節の表現は、日本人ならではのもの。この国に生まれてよかったと素直に感じます。

写真は、代表猪又の愛娘三姉妹が、地元の西海地区文化祭で描いた絵手紙。上の写真は長女(小5)、下の写真は次女(小3)の作。まさに七十二候の「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」にふさわしい季節を感じる挿絵が続きます。

三女(年長)の作品(下)もなかなかの力作。

しかし、代表猪又のいちばんのお気に入りは、小3の次女が特別に描いた下の作品・・・

二十四節気よりも七十二候よりもこの言葉にやられました(笑)
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キヌカ塗り
October 30, 2017
先日は、「大和の家」の床材塗布作業をスタッフで行いました。

キノイエに使われている無垢の杉フローリングには、オイル系の自然塗料の中でも、100%天然成分で構成される「キヌカ」という塗料を使用しています。主成分は私たちの主食のお米(ぬか)が原料なので、「赤ちゃんが舐めても大丈夫」というのがキャッチフレーズになっています。

キヌカは、浸透性の塗料です。表面に塗膜を作らないので木の呼吸を失わず、木の香り、質感と共に調湿作用を維持します。また、溶剤を使用していないので、塗装直後でも室内に臭いが残らないので、換気も不要というのが特徴です。

木目が際立ち、木になじみやすくしっとりと仕上がる100%天然塗料。無垢材の特徴を失わず裸足で暮らす日本人の生活に最適な素材をキノイエでは厳選して使用しています。本物の安心・安全を追及した結果の選択です。

ちなみに、床材の表面処理剤は、樹脂系も含め、住宅会社によって実に様々な種類が使用されています。自然素材の家に使用される「自然塗料」も種類と性質は様々。詳しくは、過去のブログ「無垢の床~表面処理の違い」にて解説していますのでそちらをご参照ください。
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一斉清掃
October 13, 2017
本社のある糸魚川市の中央地区では、この日曜日に秋季一斉清掃を実施するとのことなので、それに先立ち、本日本社の敷地内を一斉清掃することにしました。


敷地内を見渡すと、長い間雑草に覆われた未開の地がたくさんあり、大いに反省です。普段あまり手を入れない場所とはいえ、まずは、身の回りをきちんとしなければ、良い仕事はできません。

茂みの草を刈ると、なぜかそこから草刈りガマやメガネが出土。おそらく過去にここで草刈りを行った人が置き忘れていった遺物・・・この場所はかなり深い茂みでもあり、刈り取りにくい場所でもあったので、もしかすると作業途中で失くしてしまったのかもしれません。それにしてもメガネまで落としてしまうとは(笑)

ちなみに、メガネは事務スタッフIさんのものと判明。100円ショップで購入した老眼鏡のようですが、モノは大切にしましょう。
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地域に誇れる仕事を
October 10, 2017
先日の10/6(金)、弊社主催による「第13回 安全マナー品質大会」が開催されました。

安全マナー品質大会は、上越地域で建築・土木関係を中心に私たちカネタ建設とお付き合いのある100社位以上の協力企業の皆様にお声がけさせていただき、安全・マナー・品質に関する学びを深める重要な一日。毎年1回開催しており、おかげさまで今年で13回目を迎えました。

今回のメインセミナーは、少し趣向を変えて「アンガーマネジメント」というテーマを選定しました。いい仕事をする集団をつくる上でいちばん大切なこと、それは、ルールづくりではなく「良好な人間関係」です。納期・予算・人財等、限られた条件下の職場(現場)で働く私たち一人ひとりの人間関係には、大なり小なり「摩擦」や「衝突」がつきものですが、その根源の多くには「怒り」という人間の感情が存在します。この「怒り」という感情のメカニズムを知り、正しく付き合うことができれば、私たちの職場(現場)のコミュニケーションは好転し、これが結果として、安全衛生、マナー、品質などのクオリティ向上に影響するだけでなく、仕事以外でも私たちを取り巻く様々な人間関係(家庭・友人・近隣との付き合い等)にとっても大きなプラスの影響を与えます。
「この地域で誇れる仕事をしたい」・・・建設業に携わるすべての人の思いに何らかの形でお役に立てるのでは?と考えた結果の今回のセミナーでした。

講師には、人材開発研究所より菅野昭子(かんのしょうこ)様(一般社団法人日本アンガーマネジメント協会/AMファシリテーター他)をお招きし、怒りの仕分け、アンガーマネジメントに関する解説と、怒りをコントロールするための実践的な手法についてレクチャーしていただきました。

「もともと、私自身がとても怒りっぽい人間でした」と語る菅野講師のお話はとても分かりやすく、参加者の皆さんもそれぞれ自分の職場や家庭でのしつけや子育てなどに置き換えて考えながら真剣にセミナーを受講されていました。

セミナー終了後の休憩時間には、参加者から菅野講師に個別相談が入るなど、とても充実した内容のセミナーに。

セミナーの後は、安全衛生、美しい現場づくり等に貢献された優良企業の表彰や、弊社安全衛生担当部長からの活動報告、重点事項の確認、全体共有等が行われました。ちなみに、今回優良企業として表彰されたのは、糸魚川市の土木業者の小竹組様。長年鉱山という特殊環境の下、安全活動を徹底し無災害記録を継続更新。関係取引先を含め信頼獲得に大きく貢献されたことが評価されました。


また、以前のブログ「美しい現場(10S+A・T)」でもご紹介しましたが、弊社は整理・整頓・清掃・清潔・躾の「5S」の上を行く「10S+A・T」と呼ばれる、建築現場に入る者が徹底するべき事項をまとめた弊社独自の指針をこの大会でも参加者全員で確認・唱和も行います。地域でいちばん美しい現場づくりを目指して、まさに「終わりなきカイゼン」をこれからも続けていきたいと考えています。


大会の終盤は、パッシブハウスの施工も担当した弊社若手監督の松川君により、「より良い現場づくりを目指すには」と題し、様々な現場の取り組み事例を紹介しながら、今後に向けての様々な提案も発表されました。

安全マナー品質大会は、半日をかけて開催されます。参加者の皆様の貴重な時間をいただくので、運営する私たちも真剣勝負で臨みます。そして、継続は力。おかげさまで、外部の方からも「カネタ建設さんの大会運営はスタッフさんたちの段取りも非常によくまとまりがあって素晴らしい。」と評価をいただくようになり、大変ありがたいことだと感じています。しかし、これに甘んじることなく、今後も参加企業皆様にとって「本当に来てよかった」と思っていただけるよう内情の充実を図り、よいチームワークの結果として、地域の皆様に感動を与える「誇れる現場」をつくっていきたいと思います。
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糸魚川小学校6年生のみなさんからの手紙
October 8, 2017
少し前ですが、弊社を職場体験してくれた糸魚川小学校6年生4名の生徒さんよりお手紙をいただきました。

生徒のみなさんは目をキラキラさせて、本当に熱心にスタッフの話に耳を傾けてくださいました。

感想文を読んでみると、中でも測量の現場やリフォームの現場でとても感じることが多かったようです。

この職場体験を通じて、「はたらく」ということの大変さと同時に、尊さ、おもしろさ、やりがいを少しでも胸の奥に刻んでもらえたら成功だと私たちは考えています。

そして、この中から一人でも将来建設の道を目指す人が現れてくれたら、それだけで私たちは幸せです。

糸魚川小学校6年生のみなさん、本当にありがとうございました。
十年後位に再会できることを楽しみにしています♪
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あの頃の賑わいを…の続き
October 6, 2017
先日ご紹介したばかりの「沼垂テラス商店街」ですが、なんと、このほど「2017年度 グッドデザイン賞」を受賞したとのことです。

ご紹介したタイミングがなんともタイムリーだなぁとしみじみ感じてしまいました(笑)
グッドデザイン賞は、一般的に”もの”(プロダクト)の賞と思われがちなのですが、近年では特に”無形”の価値ある取り組みの評価にも力を入れており、今回は「地域・コミュニティづくり」というカテゴリーにおいて、沼垂テラス商店街さんの活動が評価されたようです。ちなみに、受賞の確率は約30%。申請段階で断念する企業・団体も多い中での受賞は非常に価値のあるもだと思います。

沼垂テラス商店街の皆様、この度は本当におめでとうございます!
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こよみで読む住まいwebマガジン「びお」創刊
October 5, 2017
今月1日、住まいと暮らしを核とした様々な切り口から、とても興味深いコンテンツが満載のwebマガジン「びお」が創刊されました。このサイトは、私たちも加盟する「町の工務店ネット」という組織の主催によって運営されていたネット新聞「びお」が生まれ変わってリニューアルしたものです。

町の工務店ネットとは、小さな町の工務店のネットワーク。私たちの手掛けるキノイエと非常に近い思想で展開する工務店のネットワークで、全国で活躍する数多くの個性的な工務店によって構成されています。


「びお」のサイトには、以下のような解説が綴られています。
“「びお」は、季節を楽しむひとの住まいづくりを応援するウェブマガジン。ほぼ毎日、二十四節気や七十二候のこよみをもとに、住まいと生活の視点から旬な話題を届けます。
二十四節気や七十二候は、季節の移り変わりを言葉で表した、古来伝わるこよみです。おおきくてまあるくて、ときには強くときにはやさしく、足元を照らしてくれるお日さまとお月さま。その二つの存在を日々たしかめながら、私たちは生活に秩序を見出してきました。

季節の移り変わりを感じ生きることは、暮らしに句読点を打つことです。地域ごとにことなる歳時記は、風土に合った住まいを考えるうえでベースになります。その土地に合った暮らし方を一番に理解し、人々の生活の器をつくるのは、地場に根をはる町の工務店。「びお」は、全国の町の工務店をはじめ、住まいづくりの専門家や暮らしをテーマに活躍する人たちと、季節を楽しむ住まいの情報、暮らしの知恵、住まいとは何かを考えるきっかけを発信することで、住まいづくりをより歓び高めるものへ変えるお手伝いをします。


私たちの暮らしがいまよりももっと、イキイキと充実したものになるように、「びお」はお日さまやお月さまに見習って、つねに明るくおおらかにあり続けたいと思います。”

「びお」は、読み物としてのクオリティが非常に高く、私たちにとっても、上越地域の特性を考え、より豊かな暮らしと住まいを提供する上でとても参考になるサイトです。
また、「びお」は今後、全国の加盟工務店の自社メディアとの連携を図り、各地工務店の自主運営による「ちいきのびお」の開設を促し、地域に伝えきれていない工務店の価値や仕事ぶりを伝えるメディアを共同運営していくという構想を持っています。新潟エリアでもキノイエから「新潟上越版ちいきのびお」が出せる日が来るかも・・・?・・・気長にお待ちください(笑)

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あの頃の賑わいを
October 3, 2017
先日は、弊社代表猪又が委員を務めている糸魚川商工会議所の「復興まちづくり推進特別委員会」主催のまちづくり先進地視察研修で、新潟市の「沼垂(ぬったり)テラス商店街」他、県内の商店街を数ヶ所視察してまいりました。大火で焼失した糸魚川市の駅北の復興まちづくりのためのヒント探しに訪れました。

この沼垂(ぬったり)という珍しい名前の場所、実は、日本ではいちばん古い防衛の拠点「渟足柵(ぬたりのき)」から由来している歴史ある土地のようです。その沼垂(ぬったり)市場(旧東新潟市場協同組合/沼垂寺町市場ともいわれます)は、昭和30年代に市の施策により堀を埋め立て、現在地(沼垂3丁目)に設置されました。当時近隣には大きな工場がいくつもあったことから、市(いち)と言われる店舗がずらりと連なった当時の沼垂市場通りは昼夜を問わず、大変賑わっていました。しかし、近年では、工場も一つを残して全て撤退し、郊外の大型店舗の出店に加え、店の経営者や町の人々の高齢化により徐々に閉店が進み、しばらくの間は数店舗が営業するだけの文字通りのシャッター通りとなっていました。

それが、数年前から、ノスタルジックでゆったりとした空気感を気に入った若者たちによって、惣菜店、手づくり家具店、陶芸工房などの出店が相次ぎ、この通りの魅力が見直され始めたのが、一つの契機となりました。しかし、当時の市場通りのシャッター店舗は組合によって管理されていましたが、高齢化による維持管理の低下、加えて組合規約により組合員以外の出店は制限されており、意欲をもった店主の新規出店にとって大きな障壁となっていました。
そこで、昔からこのエリアで代々割烹を経営していた現在の若手オーナーの姉弟が管理会社を立ち上げ、シャッター店舗を全面買い取ることを決断。新しい再生プロジェクトの立ち上げが実現したことで、市場一帯を総合的に統一したコンセプト・デザインのもとで開発が一気に進みました。オーナー姉弟の地元愛、そして勇気に頭が下がる思いです。

オーナーの熱意は早くに実を結び、プロジェクト立ち上げからわずか数年の間に、現在ではおよそ30店舗のシャッター店舗が、雑貨店や工房、パン屋、書店、カフェなどが連なるノスタルジックでかつ新しい、おしゃれな商店街へと変貌しました。限られた予算の中、SNSを中心に情報発信をこまめに続けていったことで、現在では多くの県内外のメディアが取り上げる話題の商店街となりました。


あちこちが老朽化し、錆びた鉄板には古い店舗の表示が残っているような長屋が、新しく入居したオーナーたちの手によって、センスの良い空間が生み出され、それが何軒も連なることで、何とも言えないフォトジェニックな街並みをつくりあげています。


また、この沼垂市場商店街の登場によって、隣接エリアの空き家の中には、リノベーションされた外国人観光客向けのゲストハウスが登場するなど、少しずつ近隣商店街への波及効果も出てきているようです。

古い空き家をリノベーションしたゲストハウス

ちなみに、沼垂市場商店街の裏手には、かつて多くの労働者で賑わった飲み屋街も。戦後未亡人の救済を目的に「一代限り」として好条件で提供された場所ということもあり、今は高齢化が進み、営業しているのは一店舗のみとのことです。こちらもまた、何ともノスタルジックな風景。もしかすると将来の活用が期待されるのでは?と思わせる面白いスポットです。
これからますます発展が期待される沼垂テラス商店街。この視察を通じて何よりも感じたことは、やはり「まちに命を吹き込むのは人」。どんなインフラ整備も補助金も、そのまちをなんとかしたいと情熱を傾ける人の存在抜きには、まちの再生は成し得ないということを再確認しました。家づくりもまた同じ。「本物のいい家をつくりたい」という建築に携わる私たちの情熱こそが、ひとの心を動かす住まいをつくり、ひいては街並みをつくっていくのだと信じています。
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