「日本初」に参画
November 30, 2017
「日本製の樹脂窓を使った初めての新築パッシブハウス」
こういうキャッチコピーから始まるこのパンフレットは、日本屈指の窓メーカーYKK AP株式会社様が、自社の窓性能を含めた最高水準の省エネ性能を体感できるモデルハウス「前沢パッシブハウス」の説明用に発行されているものです。
このブログを最近読み始められた方のために解説しますと、パッシブハウス(Passive house)とは、ドイツパッシブハウス研究所が規定する性能認定基準を満たす世界最高水準の省エネルギー住宅。日本では2009年8月に神奈川県鎌倉市雪ノ下にて建築されたのを皮切りに、全国で少しずつ施工実績が増えていますが、設計・施工レベルの難易度が非常に高いこともあり、日本国内の実績棟数としてはまだほんの一握り。また、これまで国内で建設されたパッシブハウスのほとんどは、性能値を満たすために、北欧を中心とした外国製の高性能木製窓を使用していました。
そんな中、日本屈指の窓メーカーであるYKKAP株式会社様が、自社の窓性能を徹底的に向上させ、「国産のサッシでもパッシブハウスはつくれる」ということを証明するため、YKKグループ自らがお膝元である富山県黒部市内に2015年に建設したのが「前沢パッシブハウス」なのです。設計を担当したのは、一般社団法人パッシブハウス・ジャパンの代表理事も務めるキーアーキテクツの森みわ代表。この建物は、建設北陸地方では初、そして日本製の樹脂窓を初めて採用した「純国産のパッシブハウス」として、建築業界に大きなインパクトを与えました。
本ウェブサイトでもご紹介していますが、実は、この前沢パッシブハウスの施工を担当したのが弊社カネタ建設なのです。この前沢パッシブハウスには、これまでにも数多くの業界関係者が視察に訪れ、多くの建築雑誌でも取り上げられています。
最近、情報感度の高いお客様より「私の地域でもパッシブハウスの建設は可能ですか?」というお問い合わせをいただくケースもしばしば。もちろん、住まいは性能だけで語れるものではありませんが、設計通りの性能値を施工で実現するのは至難の業でありながらも、その違いが意外にもまだよく知られていないのが実態です。だからこそ、こうして国内屈指の窓メーカーであるYKK AP様のパンフレットと共に弊社のクレジットが広く世に伝わっていくことを非常に嬉しく思います。
前沢パッシブハウスの性能値については、パッシブハウス・ジャパンのサイトを、また、前沢パッシブハウスの誕生ストーリー他、詳しい解説につきましては、過去のブログ記事「解説「パッシブハウス」その3(最終回)」をご参照ください。
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YKK株式会社様より感謝状
August 19, 2017
この度、大変栄誉ある感謝状をいただきました。
誰もが知るファスナーの世界企業、YKK株式会社様並びにYKK不動産株式会社様が手掛ける黒部駅前の再開発事業「K-TOWN二期工事」の施工業者として、YKK𠮷田会長より直接手渡しにて感謝状の盾をいただきました。
YKKグループ様とのご縁は、一昨年の11月に竣工した北陸エリア初のドイツパッシブハウス認定住宅「前沢パッシブハウス」(設計:キーアキテクツ)の施工を担当させていただいたことから始まりました。現在、前沢パッシブハウスは日本屈指の窓メーカーであるYKKAP株式会社様の窓性能の実力を余すところなく体験できる超高性能住宅として、これまでに数多くの業界関係者が視察に訪れ、現在は多くの建築雑誌でも取り上げられています。弊社はこの施工をご縁に、翌2016年に、YKKグループの社員寮として設計されたK-TOWN二期工事の全14棟中6棟を担当。この度、同グループが手掛けてきたパッシブタウン1~3期棟の竣工記念と合わせ、主たる設計・施工関係者が招かれ、感謝状が贈呈されました。
北陸エリア初のドイツパッシブハウス認定の「前沢パッシブハウス」は、現在多くの建築雑誌にも取り上げられています。(設計キーアーキテクツ/施工:株式会社カネタ建設)
この度竣工したYKKグループの社員寮「K-TOWN」二期工事。1棟4世帯の単身寮計14棟があいの風とやま鉄道黒部駅前に出現。(設計:アプルデザインワークショップ/施工:第一建設工業株式会社〈2棟〉・株式会社カネタ建設〈6棟〉・共和土木株式会社〈4棟〉・廣川建設工業〈2棟〉)※YKK株式会社様報道資料より
K-TOWN二期工事の建物内部 ※YKK株式会社様の報道資料より
8月6日は、K-TOWN二期工事並びにK-HALL竣工式典が執り行われました ※YKK株式会社様報道資料より
グループ企業は全71ヵ国111社。社員総数4万4,000名超、グループ連結売上7,000億を超える巨大企業でありながら非上場。そして本社機能の一部を事業発祥の地富山県黒部市に移管し、同時に黒部駅前の賑わいを取り戻すべく取り組んだのが、このK-TOWN事業。グループを束ねる𠮷田忠裕代表取締役会長CEOの黒部のまちづくりに対する並々ならぬ強い思いが凝縮された事業ですが、そこに私たちが大きく関わることができたということ、そして、その実績が𠮷田会長をはじめYKKグループの皆様に評価されたことはこの上ない喜びです。
これを励みに、私たちは更なる技術の向上とお客様の暮らしに寄り添った家づくりに邁進していこうと心に誓いました。
弊社代表猪又宛に吉田会長直筆のサイン入りの著書『YKKの流儀』もいただきました。
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軒と土間のある夏の暮らし
July 12, 2017
じりじりと照り付ける太陽。いよいよ本格的な夏の到来を感じさせる日が多くなってきましたね。
こんな暑い日、昔の人はどのように暮らしていたのでしょう?今から700年近く前の大昔、吉田兼好は徒然草にて「家のつくりやうは、夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる…」という有名な言葉を残しています。ご存知の方も多いことでしょう。要するに、「冬の寒さは厚着をする等でどうにかなるが、夏の暑さはどうにもならない。だから、住まいづくりは、夏の暑さ対策を第一に考えよ。」という意味になります。高温多湿の日本の夏の暮らし方は昔から重大な関心事であったのです。
そう考えると、日本の古寺や歴史的な建築物の多くは、日射遮蔽と通風のメカニズムがよく考えられており、真夏でも内部が非常に涼しい構造になっていることがわかります。先人の知恵とは偉大です。
さて、現代の私たちの住宅事情に目を向けてみましょう。近年建てられた住宅のほとんどは、この季節、窓を閉め切ってエアコンをフル回転・・・というパターンが多いのではないでしょうか。
もちろん、快適であればそれはそれで全く問題ありません。でも、そんな真夏に、昔の日本建築のように自然な涼を感じられる環境が少しでもあるなら、私たちの暮らしはもっと豊かで味わいのあるものになるのではないでしょうか。
つい数十年前まで一般的であった町家づくりの家は、うなぎの寝床のように細く長い伸びた軒先に簾(すだれ)が、中を覗くと奥まで長く続いた土間スペースがありました。容赦なく照りつける日差しは、長く伸びた軒と簾によって遮られ、外から家の奥に侵入してくる熱風は、一旦、冷えた土間の上を通り抜けることで冷却され、家の奥に入ってくる頃には心地よい風に変わるようになっています。今のようにエアコンなどない時代に編み出された先人の知恵。日本の住宅はつい最近まで吉田兼好の教えをしっかりと守っていたのです。
私たちキノイエの家づくりは、そんなちょっと昔の日本の住宅の英知を現代の高性能住宅の技術とミックスさせることで、一般的な現代の住宅とは違う解放感や快適さを実現させていることが最大の特徴です。「気密性も断熱性も地域トップクラスでありながら、解放感も抜群の家」とでも表現すれば分かりやすいでしょうか(笑)
そのヒントは「ソトに伸びた軒」、そして「ナカにつながる土間」の存在にあります。コンパクトでありながらダイナミックな軒の出、室内に大きく取り込んだ土間スペースが、真夏の太陽光を遮ると同時に、流れる空気をやわらかく冷やす機能をもち、ソトとナカを絶妙につなぐことで、心地よい風を取り込む空間を生み出しています。
キノイエの住まいは、春夏秋冬全ての季節で感動を味わうことができる本物の家づくりを追及しています。以前、モデルハウスにご来場いただいたことがある方も、ぜひ真夏のキノイエを体験してみてはいかがでしょう。きっと新たな感動に出会えると思います。
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真夏も快適
July 9, 2017
九州北部地方を襲った豪雨の被害が拡大しています。福岡県と大分県で合わせて18人の死亡も確認されており、安否不明の方の状況も心配されています。被災された皆様には心からお見舞い申し上げますと共に一日も早い復旧復興を願っています。
さて、上越地域は連日の豪雨が明けて、昨日の市内はとても暑かったですね。高田観測所の最高気温は今月初めて30℃を超え、いよいよ本格的な夏の到来を感じさせます。
そんな昨日のキノイエモデルハウス「塩屋新田の家」の日中の温度計はこのような感じに。
じりじりと照りつける陽射しに、デッキテラス上の温度もぐんぐん上昇。
しかし、室内の環境はこんな感じです。
もちろん、エアコンは1台が静かに弱運転しているだけで、家の中全体が隅々まで25℃前後をキープしています。エアコンに負担をかけないので電気代も安心。この見た目では分からない住宅の基本性能の決定的な違いは、ぜひ過去のブログを紐解いていただければと思います。
冷暖房設備機器は入れ替えが簡単にできますが、家そのものの基本性能は簡単に取り換えが利きません。デザインや価格と同じくらい、いや、それ以上に将来のランニングコストと健康に直結する外皮性能についての知識を深めることが、一生涯の買いものである家づくりで失敗しない最良の道です。
こうした専門分野は、上越エリアでいちばん早く省エネ建築診断士を取得している専門集団の弊社までぜひお問い合わせください。
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『YKK ap メディアレポート』に再び
June 10, 2017
YKKap様より発行されている建築業界情報誌『メディアレポート』の6月号に、再び弊社の記事が掲載されました。
今回紹介されたのは、建築部施工管理課の松川さん。北陸初の認定住宅である「前沢パッシブハウス」を手がけた技術者対談というインタビュー形式で、設計会社の担当者であるキーアーキテクツの青山氏と共に、施工担当者として登場しました。
業界の注目を集めた前沢パッシブの完成から1年、今回の記事は、あらためてその当時の苦労や建設を通じて感じたことを語っています。
「いざ建設段階になると、壁の入隅一つとっても図面を書かなければ大工さんに伝わりません。現場を進める上で収まりを考えることが大変でした。キーアーキテクツさんと打ち合わせしながら矩計図を書き、ディテールを起こして、と進めていきました。」
「逆に図面から読み取れない部分もあります。この物件の気密ラインは特殊で、建物の中にあった気密ラインが、ある所で梁をまたぎ外に出ます。そこを上手く納めるために大工さんと結構悩み、考えました。ただ、けっして妥協はしませんでした。知識や経験がないのですから一つひとつ丁寧にということを徹底しました。」
けっして妥協だけはしなかった・・・この前沢パッシブハウスの施工経験、そして翌年に携わることになったK-TOWN2期工事6棟同時施工の経験を通じて、格段に逞しく成長した松川さんの言葉には、プロとしての自信がみなぎっています。これからの活躍がとても楽しみです。
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建もの省エネ×健康マップ
April 3, 2017
一般社団法人パッシブハウス・ジャパンの公式サイトに、「建てもの省エネ×健康マップ」というものが公開されています。
建もの省エネ快適マップは、同団体が監修する建物燃費計算ソフト「建てもの燃費ナビ」により算出されたデータを元に、認定されたパッシブハウス、並びにデータ提供に協力した代表的な住宅会社、工務店の算出データをマッピングし、性能レベルの分布を示したとても分かりやすい表です。このマップはウェブ上で地域指定や表の拡大縮小、そして社名(建物名)の表示・非表示が切り替えられます。純粋な建物性能によるマッピングに加え、太陽光発電設備を搭載した際のエネルギー効率改善値まで表示できるようになっています。
横軸は、住宅が1年間に消費すると予測されるエネルギー量(給湯、暖房、冷房、照明、調理、換気及びその他動力)を床平米当たりのkWh(一次エネルギー換算)で、縦軸は住宅の躯体が1年間に必要とする暖房負荷を床平米当たりのkWhで表しています。横軸は建物の省エネ性能を、縦軸は建物の躯体性能及び(健康性という言葉はないので)健康との相関性を読み取るために大変有効です。ただし、ここでいう「健康」とは温度との相関性のみを示すもので、湿度、カビ、ダニ、化学物質電磁波等の要素は一切考慮しないものとします(壁体内結露のリスク回避など、断熱工法の安全性に関しては各社で検証がされているものとします)。
この表により、「高気密高断熱住宅」、「健康住宅」、「パッシブ性能」をうたう多くの住宅会社の広告イメージに左右されずに、冷静に性能の違いが一目瞭然で分かるようになっています。
表を見ると、ある傾向が見えてきます。省エネ・高性能をうたう大手ハウスメーカーやローコスト量産住宅販売会社の大半が、「次世代省エネ基準」クリアの範囲にきれいに収まっているのがよくわかります。大手ハイブランドもローコスト規格住宅もあまり性能値に違いはないとも読み取れます。
その一方で、パッシブ性能を追求し、本物の省エネ・健康住宅の性能値を叶えようと努力している地場工務店、住宅会社の姿がマップの上部にたくさん集まってきていることも読み取れます。(もちろん、次世代省エネ基準にすら満たない多くの住宅会社が全国にはまだ数多く存在しており、国内の既設住宅のおよそ95%が基準値以下というデータがあります。)
このマップから、住宅の性能目標をどこに置いているか、その住宅会社の目線も見えてきそうな面白いデータです。
当然、私たちが目指しているのは、この赤枠のエリア。多くの皆様にご理解いただくまでには、もう少し時間と時代の変化(価値観の変化)が必要かもしれませんが、地域で本当にエコで健康な家づくりを目指す、地味でも真面目な”本物”の住宅会社を貫いていきたいと思います。
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より身近になったパッシブハウス
March 19, 2017
先日17日、一般社団法人パッシブハウス・ジャパンの設立7周年記念大会に出席してきました。
記念大会は、社会のニーズに対応すべく「学び」から「実践」への舵を切るというテーマで開催。各地で活躍されている各工務店・設計会社・メーカーをはじめとする賛助会員、省エネ建築診断士の日頃の成果が一同に集まる一日。前日16日にオプショナルツアーとして行われたパッシブタウン黒部の視察に始まり、全国各地で支部勉強会などで行われている活動報告、解析ソフトの現状報告、専門家を招いての基調講演、エコハウスアワードの開催等、非常に中身の濃いプログラムでした。
特に注目されたのは、今年で第2回目となる「エコハウス・アワード2017」。エントリー枠は、もっとも厳しい燃費基準をクリアした「パッシブハウス部門」、同団体の推奨基準をクリアした「推奨エコハウスゾーン部門」、国内の次の基準となる省エネ性能をクリアした「地域トップランナー部門」の3部門。各部門にエントリーした作品は事前にパッシブハウス・ジャパンのサイトに詳細が公開され、ネット投票による評価に加え、会場審査と参加者全員の当日投票によって、今年の受賞者が決定、即日発表が行われました。
世界最高水準の省エネ住宅基準であるドイツ認定の「パッシブハウス」部門。年間暖房負荷=15kWh/㎡a以下という、日本国内ではもっとも厳しい燃費基準をクリアすることが条件となっており、その性能レベルは、日本国内のいかなる高性能住宅を並べても文句のつけようのない数値ですが、その施工コスト面を考えると、まだ一般住宅での採用で広がりを見せるには一定のハードルがあると考えられていました。
ところが、今年はそんな考えを大きく覆す出来事が起こりました。今年の「パッシブハウス部門」の最優秀賞受賞者は、倉敷市の倉敷木材株式会社様。国産標準仕様の樹脂サッシや換気システムなど、どこでも手に入る素材で部材を構成した結果、延床面積30坪とコンパクトながら坪単価83万で世界最高水準のドイツ・パッシブハウス認定取得を目指せる建物を完成させることが出来たということは非常に大きなインパクト。しかも、価格を抑えながらも年間暖房負荷=8kWh/㎡aと、けしてギリギリの性能値ではなく、他の認定基準クリアの作品と比較しても全くひけを取らない非常にレベルの高い性能値を実現している点、施工のプロセスも一般的な日本の在来工法を踏襲しながらの性能値クリアということで、全国の高性能エコハウスに取り組む工務店に大きな希望を与えました。
代表理事の森みわ氏、理事の松尾和也氏、昨年最優秀賞を受賞した西方設計の西方里見氏をはじめ、多くの専門家の皆さんも異口同音にこの流れを歓迎。パッシブハウスは一つの方法にこだわってはいません。高性能エコ住宅を追求することに道は一つではない。全国の工務店、設計者がその地域特性やお客様の暮らしに対する考え方を考慮して様々な方法を選びながら、目指す性能値を実現していくことで、業界全体の意識を上げ、日本の住宅とエネルギー環境の向上に貢献していくことが大きなテーマです。今回の受賞者を見て、パッシブハウスの設計施工は、もはや一部の温熱専門家やマニアの取り組みではなく、これからの日本の住宅を世界レベルに押し上げる工務店のスタンダードな取り組みになるのではないかと実感しました。
「来年のアワードはぜひ私たちもエントリーしたい!」こう胸に誓った工務店がたくさん生まれた一日でした。
<パッシブハウスに関する過去の記事>
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パッシブハウス・ジャパン視察ツアーin黒部
March 17, 2017
昨日は、パッシブハウス・ジャパン設立7周年記念大会オプショナルツアーとして、弊社で施工担当させていただいた前沢パッシブハウスをはじめ、パッシブタウンで先行している3つの街区を見学して回りました。当日は、パッシブハウス・ジャパンの代表理事である森みわさん(キーアーキテクツ代表)をはじめ、同理事でもある松尾設計室の松尾和也さん、西方設計の西方里見さんなど錚々たるメンバーが参加。その時の様子を写真ダイジェストでご紹介します。
弊社で施工させていただいた前沢パッシブハウス(2015年11月竣工/設計:キーアーキテクツ)。
この日の黒部市内の日中最低気温は、-3℃。ですが、26前後をキープした室内は、大勢の見学者が中に入っただけでオーバーヒートするほど。もちろん、室内は一般的なエアコンが1台稼働しているだけです。
2015年11月の竣工依頼、YKKの研究チームによるデータの収集と解析が進んでいます。
パッシブタウンとは、YKK株式会社様が自然エネルギー活用の可能性を徹底追及。自然の恵みを享受する「パッシブデザイン」を目指して、真に持続可能な街と住まいを黒部に実現することを通じて、これからの日本のモデルを黒部に創ること、また、黒部から日本、そして世界へ発信することを目標としています。(YKK株式会社様報道発表より要約)
今回は、既に工事が完了、あるいは竣工目前となっている1~3街区工事の全体を視察しました。
第1期街区の設計は建築家の小玉祐一郎氏によるもの。最大の特徴は、室内にエアコンが一つもないこと。北アルプスを源流とする黒部川扇状地特有の豊富な地下水を建物内に循環させる他、夏場の季節風「あいの風」を巧みに取り入れて、室内を快適な温度に保つ仕組みになっています。
第2街区の設計は、建築家の槇文彦氏。最大の特徴は構造熱橋防止システム「イソコルブ」を採用し、躯体の内外熱伝導を最小限に抑えている点。空調機器は一般的なエアコンを複数台採用していますが、外皮性能の強化+熱交換換気と通風、給湯熱負荷は太陽熱活用による組み合わせにより、負荷削減率8割以上の性能が期待されます。
第3街区は、前沢パッシブハウスの設計も担当した森みわさんが担当。元の躯体を生かして高気密高断熱化したリノベーション単身寮。施工箇所によりEPS、ロックウールを使い分けて外断熱を付加した躯体(内断熱は既存のものをそのまま採用)に、地元産の杉板を大胆に採用したインパクトのある外観が特徴。2棟に分かれている建物はそれぞれドイツパッシブハウス認定とアメリカLEED認証という各国のハイレベルな基準をクリアした文字通り究極のエコハウス。竣工のプレス発表前のため、工事中及び完成写真の撮影はNGでしたので、こちらの模型写真のみ。ちなみに、この模型は、プロモデラーである森さんのお父様が製作されたそうです。
1~3街区の地下には巨大な駐車場を完備しています。また、木質バイオマス発電設備や太陽熱利用システムも備え、循環する水の温度を調整しています。このバイオマスボイラーで給湯も賄っています。
黒部の先進住居としてあこがれの存在となり得るパッシブタウン。入居される方がうらやましいと素直に感じました(笑)
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住まいの燃費
February 24, 2017
写真は、現在新築中の住まいの「燃費」の計算結果を示したデータです。キノイエでは、今後1棟ごとに住まいの燃費を算出し、お客様にお示しする流れを標準化しました。
※C値=0.5㎠/㎡の数値は、測定前予測値(実際の測定値はC値=0.4㎠/㎡でした)
「燃費」・・・つまり住まいの断熱・気密性能から年間消費エネルギーを算出し、数値化したもので、月々、そして年間にかかる光熱費の予測や各消費エネルギーの負担比率を一目で分かるようになっています。このデータを用いて、建物仕様(グレード)の変更によるランニングコストへの影響や、各種設備機器の性能比較を行うことで、イニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(光熱費などの居住後にかかる費用)の最適なバランスを判断する材料にしています。
この写真の住まいの性能について、ここでは、外皮平均熱還流率(UA値)を例にお話ししてみたいと思います。この住まいのUA値は、0.531w/㎡・K。この数字だけ聞いても、業界関係以外のほとんどの方はよく分からないと思いますが、簡単にいうとこれは住宅の断熱性能を表す数値です。設計された断熱材の素材や厚み、開口部の大きさ、サッシの性能値などを元に熱の損失量を算出しています。数値が小さいほど性能が高いことを表しています。そして次世代省エネ基準※では、地域ごとにこのUA値の基準値が設定されています。
私たちの暮らす上越地域の設定区分は5地域。この5地域のUA値基準は0.87w/㎡・K以下となっています。今回、私たちが建築中の住宅は、それよりもはるかに性能の高い値(UA値=0.531w/㎡・K)。下の表で見ていただくとお分かりのように、この住まいの性能レベルは、上越地域の区分である5地域の基準より2ランク厳しい東北地域(3地域)相当の基準(0.56以下)をクリアする値。この性能差は、真冬の快適性が体感ではっきりと分かるほどに違いが出ます。(弊社の施工実績には、この他にもUA値=0.5w/㎡・Kを切る高い性能値の住宅も数多く存在しています)
※ちなみに、現在、国内で次世代省エネ基準をクリアしている既存住宅ですら、まだ全体の5%程度しか存在していません。
なお、この建物は、キノイエの標準的な断熱仕様(柱と柱の間にフェノールフォーム断熱材を設置)による性能値です。一般的に、高断熱住宅を標榜する専門的な住宅会社は、こうした通常の断熱施工に加え、付加断熱と呼ばれる追加断熱施工を施し、性能値を上げる努力をしています。それは当然、コストアップの要因になります。キノイエでも付加断熱施工は可能ですので、さらなる性能アップは十分可能ですが、まず、標準グレードで東北エリア基準をクリアする性能値となっていることをご理解いただければ、ここでの説明は十分です。
そして、この計算表は、数ある燃費計算表の中でもかなりシビアに表示されるように設定されているソフトウェアを使用しており、けして自社に甘くないデータを算出してきます。燃費計算ソフトの中には、工務店側になるべく都合のよいデータが表示されるタイプもありますが、このソフトは問答無用。私たち工務店側も非常に背筋の伸びるシロモノです(笑)この「建もの燃費」に関して、詳しくお知りになりたい方は、ぜひ私たちまでお問い合わせください。
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ZEH登録ビルダー認定
February 17, 2017
この度、株式会社カネタ建設は経済産業省の外郭団体である一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が公募したZEH登録ビルダー(工務店)に認定されました。
以前のブログでも取り上げさせていただいておりますが、「ZEH(ゼッチ)」とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称です。これは「 住まいの断熱性・省エネ性能を上げること、そして太陽光発電などでエネルギーを創ることにより、年間の一次消費エネルギー量(住宅の冷暖房・給湯・換気・照明などのエネルギー消費量)の収支をプラスマイナス「ゼロ」以下にする住宅 」のことを指します。
ZEH仕様の住宅を建てようとお考えのお客様にとっての最大のメリットは、SIIに登録されたZEHビルダー(工務店)が設計、建築または販売することで、125万円の補助金を受けることができるという点です。
ただし、ZEH仕様といっても、各社によって考え方や仕様は千差万別です。ZEH仕様の住宅建設は、メリット・デメリットをよく検討された上で冷静に、そして慎重に選択されることを私たちはお勧めします。過去のブログ記事「本物のゼロ・エネルギー住宅はどれ?」にも触れておりますので、よろしければこちらもご覧ください。読んでいただければご理解いただけると思いますが、私たちは様々な選択肢の一つとして、ZEH対応の検討をお勧めしています。単に「ZEHは素晴らしい」「ZEHの住宅を取り組んでいる工務店は進んでいる」と、お客様に煽るような営業はしていません。
ZEH仕様の住宅を真剣にご検討の方は、詳しい内容や補助金等についてご説明させていただきますので、お気軽にご相談下さい。
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