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リアルな声から実態を知る

October 9, 2018

先日、タレントを起用したTVCMでも有名な某大手ローコスト住宅を購入されたお客様自身による実体験を綴ったブログ記事が業界関係者の間で話題になっていました。「○○○(空調設備の名前)は不要」「デメリット多過ぎ」という内容で書かれたその記事を読むと、さすがに目を覆いたくなる事象の数々に、同じ住宅業界に身を置くものとして、とてもやるせない気持ちになりました。

 

 

その内容をかいつまんで要約しますと、以下の通りです。

 

 

エアコン2台による全館空調で家中快適という触れ込みで購入したが、全くその性能が発揮されず、家の中の各所で温度差が発生。

 

冬は暖気が小屋裏に抜けていき、冷気が下に降りる。

 

気密、断熱性能が低いため、ダクトによって各部屋に供給された暖かい空気が各部屋で冷却され、部屋のドアのアンダーカットから勢いよく出てくる。

 

部屋と廊下の温度差が激しい。

 

2階からリビング階段を伝って冷たい空気が流れてくるため、1階リビングの足元がかなり寒い。冷たい空気が動くのがわかるくらい。

 

エアコンの駆動音がうるさく眠れない。(各階に一台ずつのエアコンではパワー不足なのか、夜間もエアコンの風量が下がらない)

 

結果、家中過乾燥状態になる。

 

「ヒートショック防止」「家中快適」「寒暖差なしで健康長寿」等謳われているにもかかわらず、普通に乾燥で喉をやられてインフルエンザになる。どう考えても体に悪い。

 

この設備を導入するのであれば、その分のお金をサッシや断熱材にかけた方が間違いなく幸せになる。

 

電気代も気になっている。

 

 

ヒートショック

 

 

・・・これが全て事実だとすると、とても恐ろしいことです。この住まいの根本的な問題は、最新の全館空調システムを売りにしていたものの、本体価格を安くするために、断熱材、サッシ、施工の質を落としたことで、建物の基本的な断熱・気密性能が度外視されてしまったことにあります。結果、コールドドラフトが発生し、空調システムの性能が全く発揮されずに、かえって室内に激しい温度差を発生させてしまっています。業界のある専門家は「ほどほどに無知なうえ手を抜いた断熱とほどほどに無知なうえ手を抜いた設備の組み合わせが起こした悲劇」と表現しています。

 

 

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コールドドラフトの仕組み(YKK apの資料より)

 

 

まさに、最先端のカイロを裸の身体に直貼りして冬空の下に出ているような状態。イニシャルコストに目を奪われ、その後の長い人生の中で経済的損失と健康被害を被るようなことがあってはならないと思いますし、企業の倫理観が問われます。

 

 

 

 

住まいの基本性能は、やはり本体をしっかりと断熱気密処理し、サッシの性能などにも手を抜かないことです。このブログでも何度も警鐘を鳴らしていますが、「現代の住宅はどれも性能がいい」と考えるのはとても危険なことです。安すぎる価格の裏には必ずカラクリがあります。

 

 

これから住まいづくりを考える多くの皆様が、イメージを誇張する派手な広告に目を奪われ、このような悲劇に遭われないことを心から祈るばかりです。

 

 

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