おうち時間の質(「仕事と私事」編)
July 17, 2020
今日は前回に続いて「おうち時間」を考える第2回。今回は、「仕事」と「私事」編です。

「在宅ワーク」「リモートワーク」という言葉が、少しずつ地方の私たちの暮らしの中にも入り込んできているように思います。都会のビジネスマンだけではなく、私たちの暮らすここ新潟県上越地域の多くの職場の中でも、密を避ける働き方、職場にこだわらない働き方、集まらない仕事スタイルといった考え方が浸透し、家と職場の境目が薄くなりつつあります。

そうなると、「家で仕事」という概念も、少し前の「持ち込み残業」というマイナスイメージから、出社を必要としない仕事は家でさっと片付けて、残り時間を自分のために有効に使うというポジティブな志向の働き方も増えてくる傾向にあります。また、「仕事」だけでなく、趣味やセカンドワークのような「私事」の時間に対してもよりフォーカスされる傾向にあると思います。

そこで問題は、家の中に「ワーク」に適した居場所があるかどうか?です。家に書斎コーナーを設けるケースも多々ありますが、実際はTVと食事と一体のダイニングテーブルの方が落ち着く場所になっていたりします(実は現在の私の仮住まいがそんな感じです(笑))。

また、実は「書斎スペース」をつくった多くの住まいで、その使われ方が必ずしも当初の目論見通りにはなっていないケースも多く、子どもの自学スペースに占領されたり、単なる書棚や生活雑貨置き場になっていたり・・・それは物理的な事情だけでなく、そもそもその場所と機能がワークに適した居心地のいい場所であったかどうか?ということも見逃せない点です。

よく設計段階で「独りっきりになれる空間」というワードが出てきます。確かに、オンライン会議の普及により「隔離」や「遮蔽」といった物理的ニーズが増えているのも事実。しかし、単に隔離部屋をつくるという発想だけでは、本当の答えにはたどり着きません。もしかするとその人によっては、独りになりたいのではなく、「頭を切り替えるスイッチがほしい」という動機もあれば、「子ども勉強の邪魔にならないようにしたい」、「奥様にリラックスタイムをあげたい」など動機は様々。また、実は「独りっきり」とは言いつつも、実は「つながっていたい」という裏腹なニーズも存在したりします。「書斎」「独り」というその言葉の奥にある、その人が真に求めていることの解を探すことがとても重要になります。私たちの設計ではその本当の「居場所」を見つけ出すために、初期の段階で、お施主様の一日の暮らしぶりをよくヒアリングしたり、必要に応じて観察させていただくことで、思いもかけなかったような居場所が、最適なワークスペースになることもあります。

冒頭にも触れましたが、ワークスペースは、「仕事」だけでなく、その延長線上に「私事」としても重要な居場所になります。よく仕事場と趣味の部屋は別と考えられがちですが、仕事も私事も、同じ感覚をもった一人の人間のアクション。したがって、その使われ方はとてもシームレスにつながっていくと考えるのが自然です。仕事をするにも、映画を見るにも、読書をするにも、うたた寝するにも、その人にとってその場所が快適な空間といえる一点をつくりあげることも私たちにとって大事な仕事になるのです。


おうち時間の質(家族編)
July 14, 2020
しばらくブログの更新が滞っておりました。楽しみにされていた皆様には、心よりお詫び申し上げます。仕切り直して、また少しずつ様々なコラムを綴っていきたいと思います。
さて、第二派とも呼べる連日の感染者数拡大の報道、私たちの地域での感染者報道なども合わせ、今や「withコロナ時代」という言葉はすっかり定着してきました。それに伴い、私たちのライフスタイルにも少しずつ変化の兆しが見られます。何より、今ほど「在宅生活」のあり方について考えさせられた時代はこれまでなかったのではないでしょうか。
そこで、今一度、「おうち時間」の質について、キノイエの住まいと暮らしのあり方から少し考えてみたいと思います。まずは「家族×おうち時間」について。

仕事、部活、塾など、外出の機会が減少し、家族一人ひとりの在宅時間が増えた時、あなたはどこで何をしていますか?そこにどんな「居場所」があるでしょうか?

キノイエの設計においてとても大切にしている考え方が、「家族とのちょうどよい距離感」です。窮屈でなく、そして、離れ過ぎないちょうどよい距離感。それは、ダイニングテーブルの直径や壁との距離といった物理的な感覚はもちろんのこと、視線の重なり具合や、どこに誰が座った時に居心地がよいか?という点についても、そこに住まうご家族お一人おひとりが主人公になるポイントを考えて設計しています。

「住まいの問診票」はそのための大事な最初のツール。家を建てるにあたって、実は「こう聞かれてみてはじめて家族でじっくり考えた」という項目も多いのです。「○○部屋を○帖ほしい」という顕在的なニーズの奥にある、ご家族それぞれの暮らし方を掘り下げていく形で質問は続いていきます。私たちはその中に、お一人おひとりの「ほしい暮らし方」「距離感」「時間」などを見つけていきます。そして、その効果は、住みはじめてから徐々に実感として湧いてきます。

それが、コロナ禍の今、より謙虚に表れているように思います。

また、住まいのもつ基本的な衣食住の機能以上に、様々な楽しみ方を見出すご家族が増えていますが、その+αの楽しみを叶える空間設計になっている住まいは必ずしも多いとは限りません。なぜなら、これまでの経済合理性重視の考え方によってつくられた住宅業界のマーケティングに導かれ、多くのユーザーが、「家はこれでいい」「余計なモノはいらない」という視点で家を「買う」という選択をしてきたからです。画一的な価値観で省かれたその「余計なモノ」の中に、顕在化していなかったご家族それぞれの暮らしの楽しみ方が隠れていたりするのです。

こちらは、キノイエでの「おうちキャンプ」。今年の5月の連休は各家庭がこぞって、おうちバーベキューなどを楽しんだことと思いますが、こうしたおうちキャンプ、おうちバーベキューのような半アウトドアライフ、やってみると似合うおうちとそうでないおうちの歴然とした違いがよく分かります。


みなさんのおうち時間、とりわけご家族との時間はどのように質を高めることができたでしょうか?一番大切なのは、もちろんお互いに対する尊敬と愛情。ですが、住まいもそこに大きな一役を担っているのです。


地元の森を育てつなぐ
June 7, 2020
今までずっと経済成長優先で突き進んできた日本。しかし、この度の新型コロナウィルス感染症の拡大と都市機能の停止により、社会を取り巻く価値観は大きく変化をし始めました。特に、東京を中心とした都市部一辺倒の考え方に疑問を感じ、自然と共存する地方の人間らしい暮らしに豊さを求める人が少しずつ増えているようにも感じます。

あらためて、私たちの暮らす上越地域の魅力、私たちはどれだけ気付いているでしょうか? 以前のブログ記事でも書きましたが、日本は先進国の中でフィンランドに次いで2番目の森林保有面積をもつ森林大国。中でも私たちカネタ建設の本社が所在する糸魚川市は新潟県の中でも随一の森林保有自治体。大半が建築資材として非常によく使われる杉の宝庫です。

ところが、現在、その建築資材の大半には値段の安い県外産が使われており、地元の林業、製材業を含め多くの産業の成長が進まず、地域外への大量のキャッシュアウト(お金の流出)を生んでいるという現実があります(これには私たち地元企業にも責任の一端があります)。また、森林の間伐が正しく行われないことによる土砂災害のリスクや、山から流れる豊富なミネラル分が減少することにより海産物資源にも影響を及ぼしています。これを防ぐには、地元で育った森林から適切に木材を流通させ、間伐を進めることにカギがあります。つまり「森を守る=地域経済を守る」ことに繋がるのです。
そこで、私たちはこれから長い年月をかけて、少しずつ住宅の地材地建を進めていこうと考えています。地元の森で育った地元を木材を使って地元の職人たちと共に家を建て、子どもたちの世代に繋いでいく。子どもたちが田植え体験で、農家さんへの感謝やお米の美味しさを理解するのと同じように、林業や製材業、そして建設業が地域の人々の暮らしを安心安全、そして経済循環の面からも支える尊い仕事であるということを多くの子どもたちに伝えていく・・・こうしたことも私たちの使命だと考えています。

写真は、弊社が保有する糸魚川市内の山林の一部。実はこれまで手付かずでした。こうした森をしっかりと整備し、糸魚川の自然と暮らしの豊さを直に感じられるような流れを作っていきたいと思います。

10年20年スパンの壮大な夢でもありますが、着実に一歩ずつ実現に近づけていこうと思います。

●こちらも合わせてお読みください(関連記事):
「地域循環を考える」
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南寺町の家 施工写真UPしました
May 6, 2020
建築事例(キノイエの手仕事)に 南寺町の家 を追加しました。

ベースとゲヤのバランス、シンプルかつ普遍的な外観、キノイエが求める「何十年経っても飽きのこない美しさ」を素直に体現。地元糸魚川産杉の使用率をこれまで以上に高め、「地元由来の美しい家」を追求したのがこの南寺町の家です。

リビングはコンパクトなのに、これほど広がりを感じるのは、南面の三枚引き戸の向こうに長く伸びたウッドデッキのおかげ。ソトとナカをシームレスにつなぐこの連続性が居室空間以上の広がりを生みます。

2階の空間は、天井から床、造作家具に至るまで、とことんまで糸魚川産の杉材にこだわってみました。糸魚川産の杉は黒心が多く含まれており、それが美しくないと思い込む方も多いのですが、実は張り合わせのパターンによってはとても美しいテクスチャが生まれます。フローリングはその黒心がアクセントになっています。
また、何といってもこの空間全体に広がる木の香りがとても気持ちいいのです。写真ではお伝えできないのが残念です。

「南寺町の家」の施工写真はこちらをどうぞ
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初めて経験する連休
May 3, 2020
「おうち時間」を楽しもう。
人生でずっと記憶に残る特別な連休。家族との時間、暮らし方、住まいのあり方、居心地、快適さについて見つめ直す絶好の機会。
そこで、YouTubeにこれまで建てられたキノイエの住まいを1本のムービーに収めました。
地元の職人の手で地元の材料を使って自分たちらしい暮らしを建てることを当たり前だと思える、そんな世の中になってくれたらと思います。
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南寺町の家 まもなく
April 5, 2020
糸魚川市内で建設中の「南寺町の家」が間もなく完成します。それに伴い、先日スタッフによる「キヌカ」塗りが行われました。

キヌカについては、過去のブログでも度々登場しますが、キノイエの無垢の杉フローリングに標準で採用されていますオイル系の自然塗料。主成分は私たちの主食のお米(ぬか)が原料。「赤ちゃんが舐めても大丈夫」というのがキャッチフレーズになっています。


塗布作業にあたっては、今年春から入社されたIさん、Mさんの2名も参加。お引き渡し前のお客様の建物を自らの手で丁寧に・・・


木目が際立ち、木になじみやすくしっとりと仕上がる100%天然塗料。無垢材の特徴を失わず裸足で暮らす日本人の生活に最適な素材をキノイエでは厳選して使用しています。本物の安心・安全を追及した結果の選択です。
そして、いよいよ「南寺町の家」の完成見学会の開催日程が決定しました。期間は、4月18日(土)〜26日(日)の9日間を予定。新型コロナウィルスの感染予防の観点から、全日程時間1組ずつ限定による完全予約制を予定しております。現在、糸魚川市内の感染者はありませんが、今後の感染被害拡大の状況や政府方針を注視しながら慎重に判断して参りたいと思います。

開催にあたってのスタッフによる事前ミーティングを念入りに行い、万全の体制でお客様をご案内させていただく予定です。


開催内容につきましては、イベントページにて適宜更新しながらお伝えして参りますので、こちらを都度チェックしていただければ幸いです。
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完成間近「南寺町の家」
March 27, 2020
糸魚川市内で建築が進んでいます「南寺町の家」の工事が大詰めになってきました。

シャープな片流れの屋根、地元糸魚川産杉を使用したファサードの板張りのテクスチャが印象的な外観。エコで上質なエッグウォールと杉材のちょうどよい内装バランス、美しい木目と超湿性、吸音性に富んだ二階のすのこ天井など、存在感のあるデザインはキノイエならでは。


また、開放的な三枚引き戸の向こうには、南に長く伸びたウッドデッキが居室空間以上の広がりを生み出しています。天気の良い日は本当に気持ちいい第二のリビングになります。

自然素材をふんだんに使用し、細部に職人の手のぬくもりが伝わる造作が、隅々まで上質な空間に仕上げています。


「南寺町の家」の完成見学会は、来月4月下旬の週末を予定しています。詳細が決まり次第、皆様にお知らせいたします。
どうぞお楽しみに。
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ウィルスと換気
March 24, 2020
連日報道が続く新型コロナウィルスですが、未だ終息の兆しが見えません。ウィルスの全容が解明されていないこともあり、感染を防ぐ方法についても様々な情報が飛び交っておりますが、せきやくしゃみによる飛沫感染と接触感染をどう抑えるか?という点については多くの皆さんが共通の関心事として捉えているようです。

画像:国立感染症研究所より引用
そんな中、今月17日、アメリカ国立衛生研究所などの研究グループ(NIH)は、新型コロナウイルスについて、霧のように空気中に漂ういわゆる「エアロゾル」という状態でも、3時間以上生存できるとする論文をアメリカの医学雑誌に発表しました。「エアロゾル」とは、5マイクロメートル以下のウイルスが含まれた液体の粒のことを指します。普通のせきやくしゃみで出る飛沫のほとんどは、粒が大きく重さがあるため、短時間で地面に落下していきますが、このエアロゾルのように小さい粒子は長時間、空気中に漂うため、ウィルス感染のリスクが上がります。
また、日本では、2月28日に厚生労働省から「新型コロナウィルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(日本環境感染学会とりまとめ)」というものが発表され、そこには感染予防対策として「換気」の記載があり、日中2~3時間ごとに窓や扉を開け、部屋の空気を新鮮に保つことが必要と訴えています。

クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」では、乗客が長期間に渡り密閉状態の船内での待機生活を余儀なくされましたが、その多くは窓のない客室でした。その間、内部の通風は外循環系統と内循循環系統を含めたセントラル空調で調整されていました。接触感染も含め、一説では、このことが感染被害の拡大につながった要因の一つでもあるといわれています。
以上のことからも、私たちの住居や職場における換気の重要性は無視できない状況といえるでしょう。
ところが、今の時期は、外が寒く花粉が飛散する季節でもある上、小さなお子さまがいる家庭などは、防犯や安全上の理由からも頻繁に窓を開けて換気すること自体が難しいという側面もあります。

そうした背景からも、感染の不安を少しでも解消し手軽に室内換気を行う方法として、「24時間換気システム」への関心が高まっていると考えられます。
24時間換気システムは、住宅建材や家具などの接着材に含まれる、ホルムアルデヒドなどが原因で起こるシックハウス症候群を防ぐことを目的に2003年の建築基準法の改正によって住宅をはじめ全ての建築物の居室に設置が義務付けられているものです。具体的には、換気口から外気を取り込み、2時間ごとに居室の空気を入れ替える設備で、ちょうど厚生労働省が推奨する「2~3時間ごとに窓や扉を開け、部屋の空気を新鮮に保つこと」という内容に合致します。


ただし、この24時間機械換気を回すと寒くなるという理由でスイッチをOFFにしている家庭も多いという話を耳にします。24時間換気システムは大きく「第1種機械換気」・「第2種機械換気」・「第3種機械換気」の3種類に分類されますが、弊社はキノイエを含む多くの住宅で換気性能の高い「第1種機械換気」を採用し、さらにその中でも、換気による熱のロスを最小限に抑える、つまり「換気しても寒くならない」という「全熱交換式」というシステムを採用しています。室内換気についての詳しいメカニズムとそれぞれの換気システムの違いについて、詳しくは過去のブログ記事「住まいの呼吸法」でご紹介していますので、ぜひこちらをご参照ください。



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対極をあわせもつ
February 12, 2020
“建築家は、相反する要求条件でも、いずれをも切り捨てることなしにうまく処理しなければなりません。快適さとは涼しさでしょう。すなわち空気の流れや日陰です。しかし陽光を楽しみたいと思う季節には、やはり適当な時刻に太陽がさしこむべきなのです。また、やぶ蚊が余りに多いので何らかの策が講じられぬ限り窓を開け放つ事も許されません”
これは、20世紀を代表する建築家、近代建築の巨匠ル・コルビュジエの残した言葉です。コルビジェと言えば、新しい建築の5原則(ピロティ、自由な平面、自由な立面、独立骨組みによる水平連続窓、屋上庭園)を提唱した人物で、その最高傑作ともいえる「サヴォア邸」が有名ですが、そんなコルビジェが残したこの言葉は、現代の日本の住宅建築においても未だに色あせない原理原則を語っているともいえます。

サヴォア邸

世界遺産に登録された「国立西洋美術館」は日本で唯一のコルビジェの作品(写真:Wikipediaより)
昔の日本の家。長い軒に縁側があり、庭には落葉樹・・・夏は蒸し暑く、冬は寒い。その四季の厳しさに対し、日射や風の遮蔽と取得を上手に使い分けるなど、昔の人々は、様々な知恵と工夫で快適さを手に入れてきました。

キノイエの提唱する「パッシブデザイン」、「パッシブ設計」は、太陽の光や熱、そして風といった「自然エネルギー」をより効果的かつ受動的に利用して、なるべく冷暖房機器の過剰な運転に頼らず、住まいと地球に負荷をかけない快適な暮らしを実現しようとする設計思想をもっています。 太陽の光と熱、そして自然の風は¥0(タダ)。自然の光や風を上手に活用して冬は暖かく、夏は涼しい住まいを実現することで、電気やガスなどへの依存率が減少し、省エネでありながら快適で健康的な暮らしを実現することこそ、今の時代に求められる暮らし方。コルビジェもまた、こうした考えを持ち合わせていたのです。

自然と機械。自然の過酷さと快適さ・・・相矛盾する条件・・・茹だるような夏の暑さ、凍てつく冬の寒さに、現代は高性能な断熱で外界を遮断し、強力な冷暖房機器で対峙できる時代。ですが、同時に住まいはもっと自然と調和した快適な器であるべきという、対極をあわせもつ建築思想が必要なのです。
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サーブド・スペースとサーバント・スペース
February 9, 2020
「サーブド・スペース」「サーバント・スペース」という言葉があります。建築の世界ではよく使われる用語です。
この言葉は、建築家ルイス・カーンがつくった用語です。カーン氏は、建築にはサポートされる機能空間=サーブド・スペースと、サポートする機能空間=サーバント・スペースがあると考え、これを明確に分離して設計をしていました。
具体的には、リビング、ダイニング、寝室などはサポートされる機能空間=「サーブド・スペース」、収納やトイレ、浴室、玄関ホールなどはサポートする機能空間=「サーバント・スペース」と分けることができます。一般的に、居場所としてのリビングやダイニングなどのサーブド・スペースを充実させること、同時に充実はさせたいものの、闇雲に広げればダイレクトに建築コストに跳ね返ってしまう収納などのサーバント・スペースをいかに考えるか?ということが住まいの設計としてとても重要になってきます。

しかし、実は、サーブド・スペースとサーバント・スペースは、時間と使い方でその役割が変化したり、融合させることができる側面もあります。
例えば、キッチン。そもそも料理をする作業場として見れば、単純にサーバント・スペースですが、夫婦、あるいは親子で会話を楽しみながら共同作業する場面や、一人であっても趣味や考え事を楽しむ居場所として捉えると、キッチンは間違いなくサーブド・スペースであるといえます。物置ならサーバント・スペースですが、趣味と作業を兼ねたユーティリティーであればサーブド・スペースです。




また、仮に設計上サーブド・スペースが広く取れない場合でも、サーバント・スペースとゆるくつなげることで、居場所が大きく変化するケースもあります。例えば、玄関。ここは一見、完全なサーバント・スペースに見えますが、玄関土間とリビングをつなげたキノイエの設計では、この土間はリビングの一部、つまり、サーブド・スペースになります。宅配業者や突然の来客対応の時だけ、障子で仕切ることにより、一部が独立したサーバント・スペースに変化します。キッチンとダイニング、そしてリビングとをつなげる設計はもはや一般的に思えますが、ひと昔前の日本では、台所と居間は切り離し、お客様からは見えないようにする設計、つまり台所というサーバント・スペースは「隠す」という考え方が一般的でした。



サーブド・スペースとサーバント・スペースの機能を時として切り替えたり、ゆるくつなげることで、実は住まいはコンパクトでありながらも、広がりと奥行きが生まれ、ゆとりのある空間に変化させることができます。そのための設計技法として、例えば「床と天井の連続性」など、様々な工夫が存在します。「小さくつくって大きく暮らす」・・・キノイエは、こうしたいくつもの建築フィロソフィを大切にしつつ、一棟一棟丁寧に設計しています。

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