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美しい現場(10S+A・T)


August 26, 2016

安全衛生パトロール

August 26, 2016

弊社では、毎月定期的に建設現場のパトロールを行っています。

 

安全衛生パトロール

 

安全衛生パトロール

 

パトロールのチェック項目は非常に細かく設定されており、安全衛生はもちろん、品質、そして現場マナーのあり方に至るまで、厳しいチェックが入ります。チェックの入った項目は、すぐに改善指摘事項として担当者並びに関係する全ての協力業者に伝達される他、それ以外の全ての協力業者の皆様にパトロール実施報告書として配布されます。

 

安全衛生

 

安全衛生

 

ちなみに、パトロールには、安全衛生担当者の他、現場担当以外の営業スタッフや建築スタッフなども参加します。さらに、弊社のスタッフの他にも協力企業のスタッフさんにも持ち回りで参加していただき、一つひとつの現場について社内外の厳しい目でチェックしていきます。担当者以外のメンバー複数の目で見ることによって、担当者にとっての都合のいい現場品質ではなく、誰の目から見ても納得のいく「美しい現場づくり」のための様々な是正要求や改善アイディアが集まってきます。また、参加した協力業者の担当者にも当事者意識が芽生えてきます。まさに、”終わりなきカイゼン”のための「善の循環」のような仕組みを目指しています。

 

安全衛生パトロール

 

ところで、「美しい現場」とはどういう現場なのか? 私たちは、こんな指針をつくりました。

 

カネタ建設の10S +AT

 

写真は、「10S+A・T」と呼ばれる、建築現場に入る者が徹底するべき事項をまとめた弊社独自の指針です。「5S、(整理・整頓・清掃・清潔・躾)」という言葉を聞いたことがある方は非常に多いと思いますが、私たちはさらに項目を増やして10Sとし、そこに「挨拶(A)」と「体調(T)」の2項目を加えて、自社のスタッフ、協力業者の皆さんに周知徹底を図っています。

 

10S+A・T

 

【1A 挨拶】

朝一番、帰る前、仲間や周辺住民への挨拶は明るく笑顔で

【1S 整理】

いる物といらない物を分けて、いらない物を捨てる

【2S 整頓】

いる物を所定の場所に、使いやすいように置く

【3S 清掃】

身の回りや職場を、常にゴミや汚れの無い状態にする

【4S 清潔】

整理、整頓、清掃の3Sを維持し、きれいに保つ

【5S 躾】

決められたルール・手順を正しく守る

【6S 作法】

礼儀作法を身につけ、態度・言葉使いに配慮する

【7S 参加】

安全な現場環境作りは、全員参加が原則

【8S 習慣化】

作業方法や行動が身に付くまで徹底する

【9S 設備】

機械設備や作業用設備を安全に維持する

【10S 即実行】

気付いた事や、やるべき事は後回しにしない

【1T 体調】

元気な体と精神を維持することは全ての基本

 

いい仕事をする人は、現場も道具もきれいだと言われています。こうした活動を地道に続けることで、まずは「人」を磨き、本当の意味で「美しい現場」、そして「よいチーム」をつくっていきたいと思います。

 

 

 

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黒部市の”まちの顔”事業に関わる


August 25, 2016

合同地鎮祭

August 25, 2016

この度、ご縁をいただき、カネタ建設は富山県黒部市のK-TOWN第2期工事(YKK様単身寮第2期工事)の施工で参加させていただくことになりました。先日、合同地鎮祭(並びに1期工事の竣工内覧会)が執り行われ、弊社も玉串奉奠に参加させていただきました。

 

合同地鎮祭

 

黒部市の地域経済を支えるビッグ企業YKK様本体が手掛ける社員寮で、まさに黒部駅前の中心市街地が大きく様変わりをするまちづくり事業でもあります。ここに私たちが関わらせていただくことは、非常にセンセーショナルなニュースですが、この背景には、昨年施工させていただいた、国内12例目、北陸第1号のドイツ認定パッシブハウス「前沢パッシブハウス」の実績が評価されたことが非常に大きく影響していると思われます。しかし、それは単に私たちの仕事の評価だけではなく、これまでに様々な形で私たちにご助言やご支援をいただいた多くの関係者の皆様のおかげであることに心から感謝しなければなりません。また、その期待に応えるべく、より一層の努力で、高品質の住宅づくりに英知を結集していきたいと思います。

 

合同地鎮祭

 

第2期工事は、株式会社アプルデザインワークショップ設計監修により、共用施設となる「K-HALL」(鉄骨2階建て)をメインに、木造2階建ての社員寮を全14棟(56戸)を建設します。カネタ建設はそのうちの6棟の社員寮施工を担当させていただきます。施工場所は、なんと、あいの風とやま鉄道黒部駅前隣接の一等地。カネタ建設は、中でもその黒部駅寄りの街区で数棟同時施工で入らせていただきます。

 

合同地鎮祭

 

この日はYKK吉田会長、富山県石井知事、黒部市堀内市長をはじめとする錚々たるご来賓、関係者の皆様がご列席の中、弊社代表猪又も玉串奉奠をさせていただきました。この合同地鎮祭には多くの地元メディア、業界関係の記者の皆様が集まっており、この事業のインパクトの大きさを物語っていました。

 

合同地鎮祭

 

合同地鎮祭

 

まさに、黒部のまちの顔になる重要な建物。しっかりと責任を果たしてまいりたいと思います。

 

新聞記事

 

 

 

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『上越タイムス』に掲載されました


August 24, 2016

糸魚川タイムス

August 24, 2016

先日、地元新聞の『上越タイムス(糸魚川タイムス)』さんに、先日8/11に開催されたカネタ建設ファン感謝祭「オレンジフェア2016~こらしめられるなつやすみ」の記事が掲載されました。

 

糸魚川タイムス

 

感謝祭でもあり、「人の展示会」、「私たちの研修」でもあるこのオレンジフェア、今年で12年目を迎えました。年々、地域の夏のお祭りとしての定着が進んできたようで、おかげさまで今年の来場者数は過去最高の4,000人(主催者発表)。確かに、昨年とは賑わい方が全く違いました。イベント会場そのものの人の賑わいもさることながら、一昨年頃からイベント会場の隣の公園にレジャーシートを広げてお弁当を開くお客様の姿がちらほら見え始め、今年はなんとその公園内までもが家族連れのレジャーシートでびっしりになっていました。聞くところによると、ある地区の子供会行事そのものが「オレンジフェアに参加する」となっているとか!?

 

オレンジフェア2016

 

オレンジフェア

 

「おまんた祭り、クラシックカーレビューに並ぶ、地元の三大行事の一つになったね」そんな風に言ってくださるお客様がとてもたくさん増えてきたのが印象的でした。本当にありがたいことです。

 

オレンジフェア開催御礼

 

ただし、その分、課題も残りました。毎年十分な食材確保と、前年よりもメニューの早い提供のためにあらゆる改善策を用意して当日を迎えたものの、今年もまたまた長蛇の列。大変暑い中、家族のために列にお並びいただいたすべてのお客様に心からお詫び申し上げます。そして、次回は必ず改善し、皆様に気持ちよく縁日広場を楽しんでいただくと共に、アトラクションブースもさらにアイディアと工夫で来年も驚きと感動を提供したいと思っています。社員全員と協力企業の皆様の手による100%手づくりの感謝祭。来年も皆様にとって最高の夏の思い出の1ページになるよう従業員一同精一杯努力してまいります。

 

オレンジフェア2016集合写真

 

それにしても、期待値が上がった分、来年がプレッシャーです。しかし、そのプレッシャーこそが、私たちのレベルアップと、常に新しいことに挑戦する企業文化につながっていくのだと思います。

 

 

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高さを節約すると


August 23, 2016

キノイエ

August 23, 2016

塩屋新田の家の二階天井は、屋根勾配に沿って地元糸魚川産の杉板がふんだんに貼られています。

 

|上越市・妙高市・糸魚川市の注文住宅|木の家づくり工務店|キノイエ|

 

その杉板の天井は、水回りスペースの上に空いたわずかな隙間の先にまで伸びています。これは、視覚的な広がりをつくる、小さな邸宅設計の基本的な技でもあります。

 

そして、その隙間部分は、そのまま小屋裏空間として、大容量の収納スペースになっています。

 

キノイエ

 

キノイエは、小さくつくって大きく暮らす――引き算の設計が基本です。この小屋裏収納の確保にあたっては、面積的な引き算だけでなく、合理的な階高の引き算をした結果生まれた”おつり”を有効利用してつくられました。だから、このスペースをつくるために構造的な足し算は一切ありません。コストを上げずに収納をプラスしました。ほんのわずかな階高の節約(といっても、この方が視覚的にも省エネの観点からも理に適っています)も逃さない設計が、想像以上の使い勝手を実現させています。

 

キノイエ

 

 

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行き止まりをつくらない設計


August 22, 2016

キノイエ‗キッチン

August 22, 2016

小さくつくって大きく暮らす――引き算する設計で最も必要なことは、ムダな動線をつくらないことです。

 

塩屋新田の家‗キノイエ

 

そのためには、住まいの中に極力行き止まりをつくらないことです。例えば、塩屋新田の家では、いちばん長く過ごす場所でもあるリビングダイニングの空間に、以前のブログでもご紹介した小さなパントリー(キノイエオリジナル「箱パントリー」)を中心に周りを回遊できるように設計されています。

 

キッチン|上越市・妙高市・糸魚川市の注文住宅|木の家づくり工務店|キノイエ|

 

小さな空間にキッチンとパントリーを設置すれば、少しでも収納を確保したくなるため、大抵キッチンの奥は行き止まりになるのが普通の設計です。しかし、そこにほんのわずかでも人が通れる空間を設けることで、リビングダイニングとの連続性が生まれ、想像以上の自由度と開放感が生まれます。

 

箱パントリー|上越市・妙高市・糸魚川市の注文住宅|木の家づくり工務店|キノイエ|

 

開放感は面積ではありません。行き止まりのない、自由度がある動線をつくることにヒントがあるのです。

 

 

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小さな邸宅のメリット その2


August 21, 2016

キノイエ外観

August 21, 2016

住まいを小さくつくることは、生涯の光熱費コストの面で、非常にメリットが高いということは、前回のブログ「小さな邸宅のメリット その1」で触れた通りです。今回は、小さくした分、あるいは小さくしたからこそ何をすべきかということについて触れてみたいと思います。

 

住まいをもつ目的は何でしょう?雨風をしのぎ、快適に暮らすためであることもちろんですが、皆さんが家を建てようと思った時の動機の中には、ただ寝泊りする機能だけではない、もっとそれ以上の「夢」があったはずです。家族との楽しい時間や、友人を招いての食事、ちょっと人に自慢したくなるような絵になる空間としての「素敵な家」のイメージが、そこにはあったはずです。

 

キノイエ 素敵な時間

 

ところが、現実は予算とのにらめっこ。何を我慢するのか決めるための苦しい選択。ハウスメーカーのモデルハウスを見て回った頃に膨らませていた未来の幸せな暮らしのビジュアルは、いつの間にかどこかに消えてしまい、気がつけば、色柄こそ少し違うものの、お隣さんとほぼ同じようなカタチと素材、明朗価格のパッケージ住宅を購入される方も少なくないでしょう。そうだとしても、「これが現実ラインだから、まぁ仕方ないよね」・・・そう自分たちを納得させることも珍しくないケースです。「素敵な家」から「家」へのダウングレード、なんだか少し寂しい気がします。

 

住宅

 

住まいづくりには選択肢があります。大きくつくって質を下げる方法と、小さくつくって質を上げる方法の二通り。予算には限界がありますが、その予算を家のサイズに投入するのか、生活の質に投入するのか、冷静に考えてみると、必ずしもパッケージ住宅を買うことばかりが予算対策ではないと考えられるのではないでしょうか?

 

小さくつくるということは、使われる建築資材の量も、壁の面積も減るというということです。その分、ビニールクロスであった内壁は、一部漆喰や珪藻土に変えることができます。合板だったフローリングも肌触りのよい無垢材に変えることができます。毎日見て触れる場所は特に重要です。こだわりと妥協の境界線を上手に見極めることで、その後の暮らしの幸福度は大きく変わるのではないでしょうか。

 

小さな邸宅|上越市・妙高市・糸魚川市の注文住宅|木の家づくり工務店|キノイエ|

 

外壁も同様です。街を歩けば、何軒かに一軒必ず同じ柄に出会うような窯業系のサイディングから左官職人の手仕上げの塗り壁や地元材の木板で個性を出すことができます。

 

キノイエ外観

 

また、質の向上は素材だけではありません。面積が小さい分、断熱性能を1ランク上げることが可能になります。さらに、無駄なスペースを引き算することで、コストアップと熱損失の大きな要因となる窓(サッシ)の数も減らすことができ、住宅性能は向上します。性能が向上すれば、年間の光熱費のランニングコストが下がり、また健康被害のリスクも下がることで、見えない医療費その他の損失を抑えることにもつながります。

 

まさに、コンパクトでハイクオリティ、かつコストバランスのいい住まいを実現することが可能になります。「家」から「素敵な家」へのアップグレード。そのためには、間取りの足し算やパッケージプランを売る会社ではなく、「小さくつくって大きく暮らす」設計の本質を知っている工務店との家づくりをお勧めします。

 

 

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建築家 趙海光先生からの応援メッセージ その1


August 20, 2016

趙海光

August 20, 2016

キノイエの企画・設計・監修を担当していただいた建築家の趙海光(ちょう・うみひこ)先生から、先日こんな素敵な応援メッセージが届きました!現代町家の考え方を提唱し、全国の建築関係者から注目されているその道のエキスパートでもある趙先生が、私たちのために特別に寄稿していただきました。しかも「その1」とあります。この続きもありそうなので、とても楽しみです。まずは、「その1」をどうぞ。

 

趙海光

趙海光(ちょう・うみひこ)先生

 

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【その1 厚板で我が家をリフォームした話】

 

皆さんこんにちは。キノイエ応援団の趙海光(ちょう・うみひこ)です。じつは縁あってキノイエの企画と設計に参加しました。ですから私はキノイエ設計チームのチームメイトでもありますし、応援団でもあります。

 

趙海光先生とキノイエスタッフ

 

カネタ建設の設計部のみなさんをお手伝いして、一緒にキノイエモデルを考えた日々はまことに楽しかったのですが、ついにモデルハウスもオープンしたことですし、こんどは遠くから(私は東京の目黒に住んでいるのです)キノイエ応援メッセージを送ることにします。今日はその第一回目で「我が家のリフォーム」のお話。

 

え?キノイエと関係ないじゃないかって?いやいやそれがあるんですよ。

 

私は木造住宅を設計することが多いのですけれど、でも自分が住んでいるのはコンクリートマンションなんですね。なんかこう、忸怩たるものがありました。そこで、せめてもの罪滅ぼしというわけで、自分の住むコンクリートマンションの内部をムクの木でリフォームすることにしたのがちょうど5年前のことです。まずそれまでの内装をぜんぶ取っ払って、住まいを裸のコンクリートの空箱に戻しました。で、その空箱に持ち込んだのが大量の厚い木の板。ぜんぶで6.2㎥ありましたからかなりの量です。

 

皆さんは自分の家にどれくらいの木が使われているかご存知でしょうか?

 

日本の木造住宅の場合、平均的な木材使用量は平方メートル当り0.19㎥だそうです。30坪の家だと18.8㎥の木が使われているということになります。でもこの木材の大部分は、じつは壁や天井の裏側に隠されているんですね。木造住宅なのに木が表に見えない、なんてことが最近はよくありますが、これはまことにもったいない。なぜって、木材がもっている湿気を調節する能力をわざわざ裏に隠して殺しているんですから。

 

我が家のリフォームで使った木材量6.2㎥というのは、ですから平均的な木造住宅の三分の一。ただし、その木を隠さずにぜんぶ室内にむき出して使ったらどうなるか、室内の気候がどう変わるか、それが我が家での実験でした。

 

コンクリートのマンションにお住まいなった方なら分かると思いますが、夏はベタベタの湿気、冬はカラカラの乾燥で、加湿器やエアコン無しではとても住めない。これはなかがビニルクロスとかポリ合板とか、塩ビ製品でできているせいで、湿気を溜めたり吐き出したりする調湿機能が室内に無いというのが大きな理由です。それなら、加湿器や除湿機に頼らずに、調湿機能の大きなムクの木をむき出しで内装に使ったらかなり改善されるんじゃないか、というのが我が家のリフォームの狙いでした。

 

さて結果はどうだったか?

 

趙海光先生のご自宅

 

リフォーム後の室内はこんな感じになりました。(写真)壁は厚さ3センチのムク板。床や家具もムク板ですが、こちらは細幅の木を集めて幅広の板にした集成材です。

ムク板を持ち込んだ効果がはっきり見えたのは梅雨時でした。これまでコンクリートの壁面やガラスに出ていたうっすらとした汗(結露)が消えちゃったんですね。雨の日でも室内はサラッとしていますし、ジメジメ感がずいぶん改善された感じで驚きました。さすがに真夏と真冬はエアコンを使いますが、でも自然室温のまま暮らせる期間がかなり増えたのは収穫です。

 

趙海光先生のご自宅

 

さて、キノイエの企画を進めていたとき、私はこのときの経験をキノイ設計チームの面々に話してみたのです。———なんでいまの木造の家って、木造なのに木が見えないんですかね。

さすが皆さんプロですね、即座にいろんな答えが返ってきました。

 

———木を現しにするにはそれなりの技術がいるしお金もかかる———いまの家って断熱気密化が進んでいるから木が狂いやすい———でも木造なのに木が見えないってやっぱりヘンだ———かといって、木だらけっていうのもなんかヤだ、いまの感覚に合わないし。

 

そこで私はもう一押し、こう言ってみました。———高気密高断熱のことはよく言われるけど、木造の調湿性能についてはなんで言わないんだろう。

 

さてここから後のケンケンガクガクの議論については長くなるので省略。でもこのときの議論のおかげで、めざすキノイエのイメージが少しづつ固まってきたのでした。

 

趙海光先生とキノイエスタッフ

 

カネタ建設には長いあいだ木造を手がけてきた伝統がありますから、木を扱う技術力は十分すぎるほどです。ただ、それをひけらかすような家づくりじゃつまらない。問題はバランスです。木を隠すところ見せるところのバランスを考えながら、木の力を室内環境にも活かすことがキノイエの目標になりました。つまり高気密高断熱を超えたさらにもう一段階上の性能ですね。

 

この性能は数値で示すようなものではなくて、むしろ「暮らしの性能」みたいなものです。だから家全体にかかわる。たとえば窓を開けばすぐに壊れてしまうような性能では意味がないわけです。土間や縁側、床下送風エアコンや蓄熱断熱材など、キノイエに搭載されたさまざまなアイテムがそんな議論の末に発見されていきました。

 

ところで、なかでも私が嬉しかったのは「内装に厚板を使ったらどうか」という提案にキノイエ設計チームの面々が賛同してくれたことでした。そればかりか「どうせなら地場の木でできた厚板を探そう」と話が盛り上がって、地元の製材所や材木屋さんとの打ち合わせがさっそく始まったのです。

 

キノイエモデルの階段板やタナ板、ベンチ、それに家具などの多くはこうして発見された「越後スギパネル」で製作されました。

 

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そこにはまた長い物語があるのですがーーーでもちょっと疲れちゃいましたね。その物語はまた次回の応援メッセージの時にさせてください。で、もしもまだキノイエモデルをご覧になっていない方がいたらぜひお出かけを。その家の暮らしのかたちはとっても面白いですから。

 

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趙先生、本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。(キノイエ スタッフ一同)

 

趙海光先生とキノイエスタッフ

 

 

趙海光

 

趙 海光  ちょう うみひこ  (一級建築士)

1972年法政大学工学部建築学科卒業。1980年(株)ぷらん・にじゅういち設立。
1990年代に台形集成材を使用した一連の木造住宅「台形集成材の家」を設計。
2000年代に「フツーの木の家」シリーズ。
2007年以降は町の工務店ネットと共同で「現代町家」シリーズに取り組む。

一貫して国産材を使用した現代型の木造住宅を設計するとともに、『住宅建築』誌を中心に木造住宅についての論考を多く発表し、国産材の開発と普及に努めている。
編著書に『高山建築学校伝説』鹿島出版会。
また『新建築住宅特集』に「在来工法ファイル」を連載(2004~2005年)

受賞歴

2011年 「びおハウス」により、チームおひさまのメンバーとしてグッドデザイン賞。
2009年 「博多・現代町家」により、町の工務店ネット、長崎材木店とともにグッドデザイン賞。

 

 

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小さな邸宅のメリット その1


August 19, 2016

|上越市・妙高市・糸魚川市の工務店|注文住宅|木の家づくりハウスメーカー|キノイエ|

August 19, 2016

家の断熱・気密性能が高ければ、省エネであることは誰でもわかる話ですが、性能と同じくらい、家のエネルギー消費に影響するもう一つの要素についても考えなくてはいけません。

 

「大は小を兼ねる」・・・これは、日本が高度経済成長全盛期に沸いた時代、特によく使われた言葉です。サイズは大きい方がよく、機能は多い方がよい。足し算すればするほどよくなる・・・これがその時代の概ね一般的な価値観でした。

 

ですが、今はどうでしょう?大きいことは必ずしもいいとは限りません。

 

象

 

えさ

 

ちなみに、大きな動物は、摂取するエサの量も多くなり、また呼吸の量も多くなります。それと同じように、家の面積(容積)も大きくなればなるほど、冷やしたり温めたりしなければいけない面積(容積)が増え、消費する光熱費も上がります。しかし、そこに住まう家族の人数が同じであれば、どうでしょう?当然ですが、一人当たりの専有面積(容積)が増えることになります。つまり、一人が快適になるために使う光熱費が跳ね上がるということになります。

 

省エネ住宅を考える際、一軒分の家で必要とするエネルギー量がどのくらになるのか?というものさしで冷静に考えてみると、小さな家であることの付加価値の大きさに気付くのではないかと思います。

 

でも、小さくすれば窮屈になるのではないか?・・・たしかに、ただ小さくしただけでは、脳がありません。どこをどう小さくするのか?が肝なのです。

 

例えば、普段全く使わない部屋やスペース。これは、プランニング段階のヒアリングの甘さ、設計の甘さで生じる無駄な空間です。居心地を考えながら、どこで本を読み、どこで寝ころび、どこで会話を楽しみ、どこで書き物をするのか?などを一つひとつ丁寧に考えたプラン、反対に言えば、「使わない場所」、「居ない場所」を極限まで引き算されたプランを見ると、案外、間取りの足し算では考えられなかったサイズの空間に落ち着きます。そして、そうしたミニマリズムを極めたプランには、必ず庭や縁側、軒下空間などの緩衝空間に、窓の位置やサイズを含めた「ソトとナカのつながり」を考えた設計思想が入っています。

 

小さな邸宅|上越市・妙高市・糸魚川市の注文住宅|木の家づくり工務店|キノイエ|

 

また、平面だけでは見えてこないこともあります。天井はむやみに高くせず、人が落ち着くと感じられるちょうどいい高さを導き出します。そうすると、イマドキの家ではこれが標準と言われる天井の高さよりは少し低いものになります。ですが、これがまた何とも言えない視覚効果を生み、落ち着いた空間が生まれます。「天井の高い家はいい」とは限らないのです。

 

心地のいい空間|上越市・妙高市・糸魚川市の注文住宅|木の家づくり工務店|キノイエ|

 

キノイエは、「小さくつくって大きく暮らす」ことをモットーにしています。コンパクトでハイクオリティ、そしてコストバランスのいい住まい・・・小さいことはまずエコであること。今回は、「小さな邸宅」イロハの中の「イ」のお話でした。

 

 

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黄金比


August 18, 2016

黄金比

August 18, 2016

世の中に存在するもので、美しいといわれる多くの工業製品やアート作品の共通した考え方に「黄金比(Golden Ratio)」というものが存在することをご存知ですか?

 

黄金比とは、線分を一点で分けるとき、長い部分と短い部分との比が、全体と長い部分との比に等しいような比率をいいます。具体的には、1対1.618という比率が黄金比で、実は自然界にもこの黄金比が反映された動植物が数多く存在しています。

 

黄金比

 

黄金比 黄金比 黄金比

 

この考え方の起源は、紀元前古代ギリシャの時代にまで遡ります。黄金比はヨーロッパでは古くから最も美しい長方形として親しまれ、ルーブル美術館にあるミロのビーナス、ダヴィンチのモナ・リザ、エジプトのギザにある大ピラミッド、ギリシャのパルテノン神殿、パリの凱旋門、スペインのサグラダ・ファミリア、そして日本でも鹿苑寺金閣をはじめとした多くの建築物にこの黄金比が使われているようです。

 

モナリザ

 

そして、現代では、多くの先進的な工業製品やアートデザインなどにもこの黄金比が利用されており、分かりやすいところでは、Twitterやペプシのロゴにもこの考え方が反映されています。

 

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実は、偶然ですが、キノイエのデザインにも一部この考え方が反映されています。写真は、上越モデルハウス「塩屋新田の家」の外観に、少々乱暴ですが、黄金分割と黄金螺旋(対数螺旋)のベクトルを重ね合わせてみたものです。まちの顔になるような美しい外観を・・・と設計段階で試行錯誤した結果、玄関アプローチの位置、ベース(母屋)とゲヤの配置、庇の高さ等、おもしろいほどこの黄金比率に収まっています。

 

キノイエの黄金比|上越市・妙高市・糸魚川市の注文住宅|木の家づくり工務店|キノイエ|

 

ちなみに、この黄金比の他にも、日本で発祥し、古くから多くの日本建築で使われている比率として、「白銀比」と呼ばれるものがあります。白銀比は2種類あり、「大和比」と呼ばれる1対1.414の比率と、「第2金属比」と呼ばれる1対2.424の比率があります。ちなみに、A3、A4といった用紙サイズの規格、薬師三尊像、法隆寺の他、多くの生け花、仏像の顔などには、大和比が使われています。

 

美しさとは、人それぞれ固有の感性だという意見もありますが、時が流れても色褪せない美しさには、この黄金比や白銀比のように、自然界、あるいは古代から受け継がれてきた普遍的な法則が存在しているのだと思います。

 

キノイエは、常に心地よいデザインを求めています。流行や斬新なアイディアにも学ぶべきことはたくさんありますが、それ以上に、この普遍的な美しさにこだわり、そのまちの顔となるようなデザインを追い求めていきたいと思います。

 

 

 

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自然のスクリーン


August 17, 2016

平牛の家‗キノイエ

August 17, 2016

先日のブログで夏休みの宿題について少し触れましたが、子供たちはどんな場所で宿題を書き上げていますか?

 

平牛の家‗キノイエ

 

こちらは、糸魚川にある平牛の家。

 

2階のフリースペースは子供たちのオープンキャンパス。階段側に向いた造り付けのデスクの向こうには、ピクチャーウィンドウを配置。金山など近隣の山々や周辺の田園風景。田園風景は季節の移ろいにによって、収穫時期の黄金色→稲刈り後の萱草色→雪が覆われた銀箔色・・・と色とりどりに変化。この風景を時折眺めながら、あれこれと想像力を膨らませながら勉強をする子供たちの姿が目に浮かびます。

 

平牛の家‗キノイエ

 

日本では借景という言葉があります。元々は造園の技法を示す言葉で、比叡山の山並みを借景としている京都の正伝寺や円通寺の枯山水に代表されるように、はるか遠方の景観を庭園の構成上重要な要素として生かそうとする技法をいいます。地元の街並みや自然の風景を住まいにどう取り込むのか考えることは、家づくりにとってとても重要な要素。比叡山ほどの大げさな話ではありませんが、生まれ育った地元の原風景を財産として捉え、家族に残していくことを大切にしていきたいと素直に思います。

 

窓は自然のスクリーン。ソトとナカをつなぐ重要なデバイスです。平面の間取図だけを見ていては気付かない、小さくつくって大きく暮らすための工夫。キノイエのスタッフは常にこんなことを考えながら仕事をしています。

 

平牛の家‗キノイエ

 

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